トップページ > 【評価順】漫画・関連本> 【読書感想】『松本零士創作ノート』松本 零士 宮川 総一郎
時空を超えて全ての話が一つに繋がる松本零士の大河ドラマ
『松本零士創作ノート』松本零士著 宮川総一郎編 書評
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松本零士さんは子供の頃からのファンで、ずっと読み続けている漫画家の一人です。最初の松本漫画体験は『銀河鉄道999』でした。
当時はまだ幼稚園か小学校低学年位でしたが、この作品は大ブームとなっていました。
メーテルという魅惑の美女と銀河鉄道に乗って宇宙を旅する。その設定がとても魅力的でした。
その後、この世界にリンクした『宇宙海賊キャプテンハーロック』『クイーン・エメラルダス』を読み、中学、高校になってそれより前に書かれた『男おいどん』、『ザ・コクピット』などの戦記モノにハマります。
さらに浪人生になってからは『宇宙戦艦ヤマト』に没頭。
今もなおヤマトや999の続編が出た時などは、欠かさずチェックしています。
大人になっても読み続けられる松本作品の魅力。それは、松本零士さんの信念が作品に織り込まれているということです。
現在ここまで強烈なメッセージが込められ、生き方に影響を与えてくれるような作品はないのではないでしょうか。
その信念というのは、漫画家として一旗揚げようと、熊本から東京に上京して、四畳半で過ごした独身生活が大きいようです。
苦しみながらも夢を失わないという「信念」は、ここでより強化されたのではないでしょうか。
松本作品から強烈なメッセージとして伝わります。そのメッセージがとても心強くついつい何度も読んでしまうのです。
本書では主要作品毎に、その作品にまつわるエピソードを松本さんが語ってくれます。
松本ファンとしては貴重な情報の数々です。
例えば、キャラクターが発するセリフはとても心に残るものが多いのですが、映画の名セリフをアレンジして引用しているということを初めて知りました。
松本作品は全て同じ世界観で繋がっています。
『999』の中にハーロックやエメラルダスが登場します。そして、『宇宙海賊キャプテンハーロック』に出てくる大山トチローというキャラクターは、『男おいどん』の主人公大山昇太のはるか未来の子孫という設定です。
松本零士さんは巻末に「やがて一つの作品世界が完成する」と述べています。
この一大叙事詩はまだまだ完結しなさそうですが、引き続き松本作品を楽しんでいきたいと思います。
こんな人におススメ!
・松本零士さんの作品が好きな人
・人気漫画家の思考回路に触れたい人
・漫画家志望の人
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読書日:2014年12月
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