月10万円で暮らすささやかだけれど幸せを感じる毎日
『れんげ荘』群ようこ著 書評
サイト管理人の評価
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群ようこさんの作品は度々読んでおり、等身大の女性が書かれていて物語に入り込みやすい印象です。
元々のきっかけは椎名誠さんの自伝的作品の中で、デビュー前の群さんが登場していたのがきっかけ。
ちなみにペンネームの「群」は、同じく椎名誠さんの作品によく登場する目黒考二さんが使用していたペンネーム「群一郎」をのれん分けで譲り受け、「ようこ」は目黒氏の初恋の女性の名前なのだそうです。
本書は主人公のキョウコが愛想と夜更かしの日々から解放されるため、有名広告代理店を四十五歳で早期退職。
月10万円で、心穏やかに暮らそうと都内の古い安アパート「れんげ荘」に引っ越します。
そこでの住人との交流などを経て、ささやかな幸せを求めていくというストーリーです。
群さんご自身の実体験がだいぶ濃く反映されている印象を受け、等身大のストーリーで楽しむことが出来ました。
誰でもすぐに手の届きそうな生活スタイル(でも、なかなか決断出来ない)がテーマであるだけに共感する人も多いのはないでしょうか。
世間のしがらみから解放され、日中からぷらぷらして心地よく暮らすというシチュエーションに憧れる人も多いと思います。
実際に同じ体験をすると、こうして時が流れていくのだなあと感じさせてくれます。
「幸せとは何か」ということについて、しみじみと考えさせてくれる一冊です。
こんな人におススメ!
・慎ましいけれどささやかな幸せを感じる暮らしに憧れている人
・地に足のついた現実感のある物語を読みたい人
・共感度の高い小説を求めている女性の人
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読書日:2015年2月
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