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海の向こうで繰り広げられる悲惨な状況

『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記』高 英起著 書評

 

『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記』高 英起著

 

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著者の高 英起さんは大阪生まれの在日コリアン2世。関西大学に進み、在学中から北朝鮮問題に関わっています。

 

卒業後一度は会社勤務をしていましたが、その後退職し、中朝国境の町・中国吉林省の延辺大学に留学。

 

そこで脱北者の現状や、北朝鮮の内部事情を発信します。

 

帰国後も北朝鮮取材を進めるのですが、この活動が北朝鮮当局の逆鱗に触れ、2度の指名手配を受けています。

 

タイトルの「コチェビ」とは、北朝鮮で孤児となった浮浪児のことを指します。

 

本書は留学で延辺市に滞在した時に数多くの脱北者と出会った体験をもとにして書かれています。

 

中には失敗談や笑い話も入っており、ありのままの現状を誠実に書いているという印象をうけます。

 

しかしながら、北朝鮮の国民が大変悲惨な状況に陥っているということにかわりはありません。

 

北朝鮮の田舎では軍人でさえ衰えているそうです。

 

海を隔てた国でこんなに悲惨な状況が日常の出来事として繰り広げられているかと思うとゾッとしてしまいます。

 

この光景からは、餓死する状況なんてめったにない日本という国は本当にすごく良い国であるとも感じます。

 

1人の人間として何か出来るものがないものかという事まで考えてしまいました。

 

足で拾ってきた、ニュースでは出てこない、生々しい北朝鮮レポートとなっています。

 

こんな人におススメ!

・体験をベースにした北朝鮮の実情を知りたい人
・北朝鮮のデジタル事情を知りたい人
・金正恩の母の素顔を見たい人

 

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読書日:2014年5月

 

『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記』高 英起著

 

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