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日本にこれだけの人物がいた。心がとても熱くなる掘り出し物の一冊

『本多静六自伝 体験八十五年』本多 静六著 書評

 

『本多静六自伝 体験八十五年』本多 静六著
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サイト管理人の評価

 

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本書を読むまで、本多静六という人を詳しくは知りませんでした。

 

「東大教授にして大富豪、近代日本が生んだ最高の哲人が自ら綴った努力と奮闘の一代記」という表紙のキャッチコピーと解説を経営コンサルタント・作家の神田昌典さんが書いている部分に惹かれ、手に取ってみました。
読んでみて大変感動し、思わぬ掘り出し物を見つけたという気分です。

 

本多静六(慶応2年7月2日〜昭和27年1月29日)という人物は「公園の父」と言われ、日比谷公園など多数の公園の設計、改良に携わった林学博士です。

 

9歳の時に父が死に、多額の借金が家に舞い込み暮らしは困窮を極めます。

 

そのような状況の中でも学問に対する向上心は衰えることなく、苦学の末に東京山林学校(現代の東大農学部)に入学。主席で卒業後、ドイツに私費留学し、ミュンヘン大学で国家経済学博士号を得ます。

 

以後、東京農科大学の助教授となり、植林や造園などの分野で活躍されます。

 

また、「4分の1天引き貯金」など独自の蓄財投資法と生活哲学を実践して莫大な財産を築き(後にほぼ全てを寄付)、1日1ページの原稿執筆も続け370冊余りの著作を遺しています。

 

本書は自らの人生を振り返る自伝になっていますが、何よりも学問の力だけで運命を切り開いていることに圧倒され、とても勇気が出ます。

 

特にドイツ留学のくだりは大変に感動。本多静六の学問に対する真摯が態度は魂が震えるほど。

 

三等船客として粗雑な扱いをされながらドイツに入り、金銭的な事情から4年の課程を2年で終了することを決意。毎日3〜4時間だけの睡眠で学問に打ち込むのです。

 

挫折しそうになり、切腹まで覚悟したというから並大抵の心の持ち主ではありません。

 

これだけの努力を見せられると、自分がいかに何もしていないか思い知らされます。そして、熱い気持ちで物事に取り組めるようになります。

 

心の灯に発火点を着けてくれた素晴らしい本でした。

 

多くの著作物を出されているので他の本についても読んでいこうと考えています。

 

こんな人におススメ!

・勉強で成長したいと考えている人
・本多静六の人生を学びたい人
・これから将来のある学生の人

 

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読書日:2014年7月

 

『本多静六自伝 体験八十五年』本多 静六著
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