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幸せな人生には様々な選択肢があることを知る
『わたくしが旅から学んだこと』兼高 かおる著 書評
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著者の兼高かおるさんは1959年から1990年まで実に31年間もの間『兼高かおる世界の旅』というテレビ番組を続けられていたことで知られています。
出演のみならずディレクター兼プロデューサーとして、取材国は約150か国、地球を約180周分飛び回ったことになるのですからすごいの一言です。
そんな兼高さんがご自身の半生記を綴ったのが本書の内容です。
世界中を旅する生活というのは誰もがうらやむ生き方ですね。兼高さんは本書の中で巡ってきた2度の運をしっかりとつかむことが出来たと語っています。
1度目の運は、太平洋戦争が終わってアメリカに行ったこと。そこで世界を見る目、日本を改めて見つめなおす目が開かれたそうです。
そして、2度目の運は帰国後に、テレビ放4年目を迎えたラジオ東京から初めての海外取材番組(のちの「世界の旅」)の話をもらったことです。
この2つの運は繋がりがあると兼高さんは語ります。
全編を通して、「運命」という言葉が多い印象を受けました。
『世界の旅』が終了することになった経緯や結婚をしなかった経緯など、様々な出来事を「運命」と受け止め、前向きに軽やかにすごされているという印象です。
今でこそ結婚しない人は増えていますが、当時の時代背景で女性が「結婚をしない」という選択をしたということはなかなか出来ることではないのではと感じます。
兼高さんはお付合いをしていて、「いい人だな」と思っていても、必ずというくらい別れざるを得ない事情が出てきたそうです。
そしてこのことは、神様から「せっかく今までいい待遇を与えられたのだから、結婚せずに仕事を続けて世の中につくしなさい」というメッセージなのだと悟ります。
確かに、結婚していたら出来ないような貴重な経験をしているので「幸せ」というのは様々な道筋があるのかもしれないと思ったのでした。
本書には他にも多くの旅で出会った世界のセレブが写真付きで紹介され、興味をそそります。
画家のサルバドール・ダリやケネディ大統領などとても貴重です。
兼高さんは人生三分割を唱え、31〜62歳まで番組制作に費やした後の残りの三分の一は自分で好きなように使うと述べています。
いつまでも人生を楽しまれている兼高さんの動向をすると、本当の幸せとは何だろうと考えてしまうのです。
こんな人におススメ!
・「幸せな生き方」について考えたい女性の人
・世界に関わる仕事をしたいと考えている人
・貴重な外国セレブの写真を見たい人
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読書日:2014年9月
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