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現代社会において私心のない行動をする見本となる人物

『緒方貞子 戦争が終わらないこの世界で』小山 靖史著 書評

 

『緒方貞子 戦争が終わらないこの世界で』小山 靖史著

 

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緒方貞子さんは、難民を救うための国際機関・国連難民高等弁務官のトップを1991年から2000年まで3期10年間務めた人物。

 

精力的に現地に足を運び、強いリーダーシップで、前例のない決断を次々と下し、難民支援の歴史を革命的に変え、「小さな巨人」とも形容されました。

 

現在緒方さんは88歳ですが、今もなお様々な局面でメッセージを出され、私はいつも注目しています。

 

国際政治の分野において、日本人として国際的な評価が気極めて高い稀有な存在であるというのが私の認識です。

 

本書は1年間の取材の後、2013年8月に放送されたテレビ番組「NHKスペシャル」がベースになっています。

 

全部で9章に分かれており、ご自身の半生を振り返っています。

 

元々、両親は外交官、曾祖父は総理大臣でもあり、「貞子」の命名もした犬養毅さんとエリートの家系でした。

 

五・一五事件や日中戦争、太平洋戦争も経験され、この時の想いが緒方さんの信念を形成していることがわかります。

 

後半は国連デビューし、紛争と向き合い、難民問題に取り組む姿が描かれます。

 

グローバルな視点で物事を眺め、難民を同じ人間として接し、優しい眼差しを向ける。そんな緒方さんのスタンスに只々、「すごい」と感心してしまいます。

 

誰でも出来ることではなく、「私心がない人」というのは緒方さんのような人をいうのだろうなと思います。

 

世界が複雑になる今の世の中でここまで無私の人物も珍しいのはないでしょうか。

 

緒方さんの数々の行動と決断を読むと、「私心のない」ことの大切さを感じ、世界的・人道的立場で世の中を見ることの重要性がわかります。

 

こんな人におススメ!

・グローバルな仕事をしたい人・している人
・人道支援に感心がある人
・キャリア志向の女の人

 

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読書日:2014年3月

 

『緒方貞子 戦争が終わらないこの世界で』小山 靖史著

 

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