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トップページ【評価順】ビジネスの本> 【読書感想】『美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史』西田 宗千佳

久夛良木健はソニー最後の異端児か

『美学vs.実利』西田 宗千佳著 書評

 

『美学vs.実利』西田 宗千佳著

 

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著書の副題は「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史。

 

プレイステーション生みの親である久夛良木健さんがプレイステーションを立ち上げてからソニーを去るまでの15年間を書いた本となっています。

 

出井さんがソニーのトップに就き間もない頃のソニーの輝きは今も忘れていません。1996年あたりでしたでしょうか。

 

「デジタル・ドリーム・キッズ」というスローガンがカッコよく、久夛良木さんのようなアクの強い人物が縦横無尽に活躍し、任天堂を蹴散らす。

 

自由な社風があるからこそ、久夛良木さんのような人物が活躍出来るのだろうと当時は感じたものです。

 

本書では、プレイステーション誕生の逸話である、当時ソニーの社長であった大賀典雄の「Do it!」という発言から始まります。この一言でソニーの家庭用ゲーム機の参入が決定したのでした。

 

その後にもたらした利益を考えると、まさに英断であったといえるでしょう。

 

さらにPS2、PS3の発売、そして、PS3のつまづきによる久夛良木さんの退任。

 

副題は対任天堂となっていますが、終盤になりSCE(ソニー・コンピューターエンタテイメント)とソニーとの軋轢が描かれ、敵はむしろ社内にあったという印象を受けます。

 

ソニーの社風自体も刻々と変化していたことがわかります。

 

ソニー関連の本はよく読みますが、この時の時代、そして創業者の盛田さんと大賀さんコンビが世界市場に打って出る時期は痛快で楽しめます。

 

今後もう一度このように人々を楽しませてくれる時代がソニーに来るのかどうか。

 

どうしても懐疑的になってしまいます。

 

こんな人におススメ!

・新規事業の立ち上げの模様を詳しく知りたい人
・ゲームビジネスに興味がある人
・ダイナミックなビジネスノンフィクションを楽しみたい人

 

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読書日:2014年3月

 

『美学vs.実利』西田 宗千佳著

 

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