トップページ > 【評価順】経済・金融の本> 【読書感想】『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』山口 揚平
来るべき「お金のない世界」を提示
『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』山口 揚平著 書評
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著書の山口揚平さんはコンサルティングなど複数の事業・会社を経営する傍ら、貨幣論・情報化社会論を専門に執筆・講演を行っています。
過去にカネボウやダイエーなどの企業再生を手掛けたこともありました。
ユニークなタイトルとなっていますが、ゴッホは生涯苦労し、耳を切り落としてしまうことも。そして、生前に売れた絵はわずか1点。
一方ピカソの遺産は約7500億円にものぼったそうで、同じ天才画家でありながらここまで格差があったのは、ピカソのたぐいまれなる商才があったからなのだそうです。
本書は印象的なこのエピソードを皮切りに、お金の価値について語る内容となっています。
この本のユニークな点は、お金は笑顔や感謝の言葉と同じ、コミュニケーションツールのひとつでしかないと主張している点。
副題が「これからを幸せに生き抜くための新・資本論」としているように、幸せに生きることが主であり、お金はあくまで従であるというスタンスを貫き、お金に対して新しい考え方を与えてくれます。
山口さんは最後に「お金のない世界」を考えることを求めています。
そして人類はお金を通してではなく、そのもの自体の価値を共有し、楽しみ、新たな価値を創造することができるようになるだろうと予言します。
そして、お金は幸福の手段として必要なくなるとも述べています。
本来お金というのは人が幸せになる手段であり、「お金で苦労する」という状態はおかしなことなのかもしれません。
最近はシェアビジネスなども流行っており、商品を買わなくても生活できるようになってさえいます。
山口さんの提言は大胆ですが、将来的に本当に実現するのかもしれないなとも思うのです。
こんな人におススメ!
・お金の価値について学びたい人
・お金と幸せの関係性について知りたい人
・これからの経済について参考にしたい人
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読書日:2014年12月
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