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一流作家の勉強に対する姿勢が学べる
『50歳からの勉強法』童門冬二著 書評
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著者の童門冬二さんは主に歴史小説作家として知られています。
『小説上杉鷹山』がベストセラーになっており、自己啓発に関する本も出されています。
童門さんの本は昔、自己啓発本を何冊か読んだ記憶があります。
メジャー作家による勉強法とのことで、私はまだ50歳にはなっていないけれど興味を持ったので読んでみました。
本書では具体的な勉強法というよりは、勉強に対する姿勢のようなものを学ぶことが出来ます。
特に童門さんは「発酵」というフレーズを多用しており、印象に残ります。
学びにおいて、結果を急がずに、インプットからアウトプットまでの2点間を、最短時間で行こうとしない回り道の思想を大切にされているそうです。
事前の発酵段階をしっかりと経ておくこと、仕事の前に細部まで構想やイメージをふくらませておくとのことで、スピードが重要な今のインターネット社会において、逆張りを行く童門さんの姿勢はそれだけで価値があるのかもしれません。
また、自分の手足を使って得た「なま情報」を大切にされ、本や新聞など人の手を経てもたらされる情報の大半は、発信側の編集や加工がほどこされた間接情報にすぎないと述べている点も心に響きました。
玉石混交の様々な情報が飛び交う現代において、一次情報というのは飛び切りの価値を持つものなのでしょう。
本書では童門さんの創作方法も書かれているのですが、ボイスレコーダーを使い、ストーリーの目途を付けないまま進行していくとのことでずいぶんとユニークな手法なのだなと感じました。
先がわからないままストーリーをすすめていくというのは村上春樹さんの書き方に通じるものがありますね。
童門さんは「終身現役、一生勉強」の生き方を貫くと述べており、「知」というものに対して、とても真摯に向き合っているということがわかります。
そして、このような日々を過ごされていると、年齢に関係なく、充実した中身の濃い人生を送れるのだろうなと思います。
童門さんの勉強に対する取り組み方は参考になる点が多々ありました。
私も童門さんを見習いながら生涯楽しく勉強していきたいです。
こんな人におススメ!
・大人になっても勉強を続けたい人
・著名作家の創作の秘密を知りたい人
・知性豊かな生き方を求めている人
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読書日:2015年2月
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