若い時特有の心の痛みを瑞々しく表現
『ひとり日和』青山七恵著 書評
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2007年の芥川賞受賞作品。この時、著者青山七恵さんは23歳でした。
青山さんの本を読むのは今回が初めてであり、久しぶりに本格的な文学を読みたいと思い、芥川賞受賞作品の中から本書を選んでみました。
この作品は三田知寿という21歳の女性が主人公。埼玉で2人暮らしをしていた母が仕事で中国に行くことに。
そして日本に残る選択をした知寿は、東京にいる親戚の70歳くらいのおばあさんの家にお世話になることに。
このおばあさんとの交流を深めつつ、知寿は恋愛も経験しながら成長していくという内容です。
読んでみて、若い女性ならではの感性が文章によく出ていると感じました。
まるでこの年代の女性の実際の日常を切り取ったようなイメージで、極めてリアルに表現しているという印象です。
この年代の頃はちょっとしたことで心が傷ついたり、余計なことで悩んだりするものです。
それはそれで貴重な経験だと後になってわかるのですが、若さゆえの心の痛みのようなものがよく表れていました。
このように恋愛をして、ちょっとずつ成長していくんだよなという感じです。
正直言って、作品全体から強烈な才能は感じませんでした。
しかしながら、日常の心のゆらぎを丁寧に描いていくというやり方でこれはこれで小説群の中でアリなんだろうなと思います。
時折はこのような瑞々しい感性に浸りたいものです。
誰もが一度は経験するであろうちょっぴり心が痛むストーリーです。
こんな人におススメ!
・若さゆえの心の痛みを感じる小説を読みたい人
・恋愛を柱とした文学作品を読みたい人
・芥川賞受賞の新進気鋭の女性作家の作品を読みたい人
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読書日:2014年12月
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