トップページ > 【評価順】エッセイの本> 【読書感想】『帰ってきちゃった発作的座談会』椎名 誠 沢野 ひとし 木村 晋介 目黒 考二
座談会を行うスタミナとパワーが切れ遂にファイナル
『帰ってきちゃった発作的座談会』椎名誠 沢野ひとし 木村晋介 目黒考二著 書評
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椎名誠さん人気シリーズ作品の1つ『発作的座談会』。本書は4作目にあたり、前作から9年ぶりの刊行なのだそうです。
このシリーズは椎名さん、木村さん、沢野さん、目黒さんがどうでもいいことやくだらないことを真剣に議論する内容。
そのため、まったくもってためにはならないのですが、だからこそ読んでいる時は非常に贅沢な時間を過ごすことが出来るというわけです。
本書は、全部で19本掲載されていますが、そのうちの9本は過去の3作から抜粋した傑作選にもなっています。
相変わらず本書はくだらない(良い意味で)テーマで占められています。
「最強の筆記具は何か?」「もし空を飛べたら」「どんな『長』がいいか?」「コタツとストーブ、どっちがエライか」「もし電話がなかったら」などなど。まるで小学生が話すようなテーマであり、真剣に話し合う様子は微笑ましいものです。
とりわけ気に入ったのは、「百年後にはどうなっているか?」というトピックス。テレビや結婚制度、コンビニなどの100年後を縦横無尽に空想し合うわけですが、この話題は自分で考えてみても楽しいものです。
こんな夢のある話題は久しく遠のいていました。
また注釈がところどころに入っているのですが、注釈というよりも、ツッコミ機能になっていてこちらも笑えます。
何とこのシリーズは本書がファイナルであり、その事情が冒頭に述べられています。
実は、このような座談会で話を展開するにはスタミナとパワーが結構必要であり、4人ともその元気がもうなくなってしまったのだそうです。
しかも、数回集まってから無理だという結論が出たそうで、くだらない話をするというのはパワーが必要なんだなと始めて知りました。
こうして椎名さんのシリーズの1つが終わってしまうのはとても寂しいのですが、その楽しさを本書でしっかりと味わうことが出来ました。
こんな人におススメ!
・身にならない本を読む贅沢な時間がある人
・100年後の未来や空を飛べたらなど空想が好きな人
・発作的座談会シリーズをまだ読んだことのない人
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読書日:2014年4月
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