子どもの頃の夢を実現させたシーナさんの映画製作のめり込み記録
『まわれ映写機』椎名 誠著 書評
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作家の椎名誠さんは映画監督という側面も持っており、1990年から1997年まで計5本の映画を製作しています。
当時から椎名ファンだった私は『ガクの冒険』『うみ・そら・さんごのいいつたえ』『白い馬』をリアルタイムで鑑賞していました。
本著は椎名さんの映画製作活動記録になっています。
2部構成となっており、1部は映画の魅力にとりつかれ、幻灯機に初めて触れた小学生時代から趣味で16ミリ映画を手掛けた20代後半までを描き、2部は45歳の時、突如として映画熱が再び到来し、映画監督として『ガクの冒険』を製作する所から映画会社を解散するまでを描いています。
椎名さん監督の映画作品の新作が急に出なくなり、どうしたんだろうと思っていましたが、本書でその理由や経緯がやっと判明しました。
また、1部を読んで、小学生の頃から椎名さんは映画製作について並々ならぬ関心を抱いていたんだなということがわかり、驚きました。
元々、椎名さんは好奇心がとても強いという印象があり、それゆえ、旅行やSF、小説、エッセイなど幅広いジャンルの本を発表しているのですが、映画製作もそんな好奇心の対象物の1つであったのでしょう。
しかしながら、小学生の時の想いが、後に本当に映画監督になり実現してしまうなんて、普通の人ではなかなか出来ることではありませんね。
小学生の時の好奇心が徐々にステップアップし、周囲の人々を巻き込んで実現させていく過程は痛快で楽しく読むことが出来ます。
同じ時代を『新宿遊牧民』でも書いてますが、こちらは興行成績や人間関係トラブルなどといった負の部分も書き込まれていて、両方読むと当時の状況がより立体的に把握出来ます。
子どもの頃の夢をガンガン実現させてしまう椎名さんのパワーを感じさせてくれます。
こんな人におススメ!
・子供の頃の夢が大人になり実現する過程を読みたい人
・椎名誠さん監督の映画作品を観たことがある人
・映画製作に興味がある人
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読書日:2014年10月
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