読書の楽しさを伝えるための日々の記録

トップページ【評価順】ビジネスの本> 【読書感想】『日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”』山田 昭男

徹底した「差別化」が夢のような企業を実現させた

『日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”』山田 昭男著 書評

 

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”

 

サイト管理人の評価

 

スポンサーリンク

 

本書で取り上げられている未来工業株式会社は休日数日本一(約140日)で知られています。

 

坂本 光司さんの本などでその存在を知っていましたが、改めて深く知っておきたいと思い、読んでみました。

 

著者の山田昭男さんは未来工業の創業者であり、自らの経営哲学を本書で語っています。

 

この本が刊行されたのは2011年ですが、2014年7月に山田さんは残念ながらお亡くなりになっており、この本は山田さんのダイレクトなメッセージが読める貴重な一冊になっています。

 

まず、未来工業は、休日数日本一だけでははく、社員が働きやすくなるための様々な制度があることに驚かされます。

 

70歳定年制度や8時30分から16時45分までの短い勤務時間、

 

65歳社員の年収700万円という比較的高い年収、全社員参加の5年毎の海外旅行などなど。

 

山田さんはこれらの施策を社員への「餅」と表現し、社長の仕事は、社員を幸せにし、「この会社のためにがんばろう!」と思ってもらう「餅」を考え続けることであると語っています。

 

社員からみたらとても素敵な経営者といえるでしょうね。

 

そして、普通に考えると、こんな大盤振る舞いをすると企業として立ちいかなくなるのではと心配になってしまうのですが、1965年の創業以来、赤字なし、平均15%以上という高い経常利益率で成長しているというからすごいことです。

 

本書の肝は、この高い利益を生み出す仕組みについても、きちんと書いてある点にあります。

 

それは、「徹底した差別化」による強い商品力、そして同じく徹底したコスト管理にあるようです。

 

「他社と同じものは作らない」というポリシーのもと、常に考える習慣により技術のあるなしに関係なく、色味や品揃えなども差別化の対象にしてしまう。

 

意匠登録件数も上位の常連だそうで、付加価値のついた商品を値引きをせず販売することが高い利益率の要因になっているそうです。

 

また、お歳暮などを送らず、人事部も作らず、ネームプレートも作らない。

 

これらの徹底したコスト管理方法を見ると一般的な慣例や常識に全くとらわれていないということがわかります。

 

本書の中で山田さんは「差別化」という言葉を何度も使用しています。

 

未来工業が極めてユニークな存在でなのはこの「差別化」という想いの結果なのでしょう。

 

横並び気質の日本において、徹底して「差別化」を考えてみる。そんな習慣が広まれば日本の企業はまだまだ可能性が広がるのかもしれません。

 

大企業に勤めている方にとっても、とても参考になるのではと感じました。

 

こんな人におススメ!

・ビジネスにおいて「差別化」を図ることの大切さを知りたい人
・休日数日本一のカラクリを知りたい人
・ビジネスを行っている全ての人

 

スポンサーリンク

 

読書日:2014年6月

 

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”

 

サイト管理人の評価