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トップページ【評価順】物語の本> 【読書感想】『禁断 横浜みなとみらい署暴対係』今野 敏

独特の世界観と飽きさせない展開に酔いしれる

『禁断 横浜みなとみらい署暴対係』今野 敏著 書評

 

『禁断 横浜みなとみらい署暴対係』今野 敏著

 

サイト管理人の評価

 

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久しぶりにサスペンスタッチの物語が読みたいと思い、選んだ本。

 

「みなとみらい」と書いてあり、近くで働いていた時があったので話に入りやすいかなと感じたのでした。

 

今野敏さんの作品は今まで読んだことがなかったのですが、『隠蔽捜査』が代表作とのこと。

 

結論からいうととても面白く、楽しむことが出来ました。

 

この作品の魅力は、ストーリーの巧みさ、独特の世界観、そして多くの個性豊かなキャラクターの3点にあると感じます。

 

横浜を舞台に、暴力団が絡む薬物流通事件をテーマにした話が展開されるのですが、冒頭は一般大学生が自宅で変死するところから始まります。

 

大学生にまで薬物が浸透してしまつているという危機的な状況がまず投げかけられ、最初からストーリーがグングン進行し、飽きさせない展開はとても良いです。

 

背後にいる首謀者の正体も二転三転し、意外な人物で落ち着く所もサスペンスの醍醐味を存分に感じさせてくれます。

 

またハードボイルド調の世界観も良い。昔あったコナミのゲーム「探偵 神宮寺三郎シリーズ」を思い出しました。

 

横浜という情緒ある場所と暴力団や薬物、チャイニーズマフィアといったキーワード。夜の場面も多くて、映像が浮かびやすい描写です。

 

最後にキャラクターがそれぞれたっており、魅力的でした。

 

主人公でハマの用心棒と恐れられている諸橋と楽天家の城島のコンビ以外にも、対立しつつも陰で支えているキャリア組の笹本、ヤクザの裏社会まで精通している情報屋の神野、底の見えない極悪人であるダミー会社社長の田家川、中国武装警察部隊の将校の蘇公栄など尖ったキャラの持ち主が多く、多少デフォルメされている感があるものの、それが物語を際立たせているために良い作用をもたらしているのでしょう。

 

サスペンス小説は多く読んでいますが、特にキャラクターのわかりやすさは好印象でした。

 

今野さんの他の作品もこれからは読んでみたいと思います。

 

こんな人におススメ!

・サスペンス小説の世界観に浸りたい人
・ストーリー展開が巧みな物語を読みたい人
・横浜にゆかりのある人

 

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読書日:2015年10月

 

『禁断 横浜みなとみらい署暴対係』今野 敏著

 

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