独特の感覚が「北野武」を成立させている
『女たち』北野武著 書評
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北野武さんの映画は新作が出ると必ず観に行きますし、エッセイ本もわりかし読んでいる方だと思います。
武さんの独特の感覚が好きで、映画の1シーンのテンポ、そして「キタノブルー」と称される色味などは他の人が簡単にマネ出来るようなものではないでしょう。
フランスで評価が高いのもわかる気がするのです。
著書は季刊誌「SIGHT」の連載インタビューを再構成・再編集したものとのことで、タイトルから武さんの女性観がわかるかもしれないと思い読んでみました。
本書は自作の映画の評価をベースにしており、過去の映画を通して女性や仕事、色などについて語っています。
武さんの女性観はやっぱり独特。世間の風潮をあざ笑い、芯を食ったような発言をされています。
例えば、武さんは、好きでもないのに一緒にいて、徐々に愛を育むなんていうのは全部幻想でインチキだと述べています。
武さんが思う究極の愛。それは、段取りを踏んで、愛を確かめ合うヒマはなく、顔見たらいい女で好みだったら、命を懸けることであると述べています。
そのため、女性の根性、性格、考え方が自分と合わなくても構わないと語ります。
極論のような気もしますが、生物学的観点から考えると、案外真実なのかもなと思わせます。
また、色についてのインタビューも語っており、過去の映画作品において、それぞれどのように色味を意識していたかを伝えています。
そして、このように色にこだわる原因は実家がペンキ屋だったからではないかとのこと。
このあたりの話も武さんならではの感覚をお持ちで、それが魅力となっていることがわかります。
武さんの良さはこのような独特の感覚にあると感じています。
他の人では到達出来ない発想こそが、武さんの根源となっているのでしょう。
こんな人におススメ!
・北野武さんの女性観を知りたい人
・北野武さんの独特な感性に触れたい人
・クリエイティブな仕事をしている人
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読書日:2014年11月
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