ドラマ感覚で楽しめる元気でポップな小説
『おい!山田』安藤 祐介著 書評
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強烈なインパクトがあるタイトルと表紙の「山田さん」ぽい写真に目を奪われ手に取った一冊。
著者の方はそれまでご存じなかったのですが、TBS・講談社ドラマ原作大賞でデビューされた方とのこと。
そのためだと思うのですが、物語がとてもビジュアル的でまるでドラマのシナリオを読むような感覚でした。ポップで楽しく、元気になれる娯楽小説です。
大翔製菓というお菓子メーカーが舞台になり、主人公の山田助が大阪の物流部から東京の広告宣伝部に異動になるところから物語は始まります。
昨今のゆるキャラブームに目を付けた広告宣伝部は山田助自体をゆるキャラにすることに…と設定自体がとてもユニークです。
こう書くとどうも非現実的に思われるかもしれませんが、実際ストーリーはとてもリアルでメーカーで広告業務に携わっていた私としては深く共感出来ました。おそらく、作者の安藤さんもメーカー、もしくは広告業界での勤務経験があるのではないでしょうか。
終盤に「ガリチョコカプセル」という起死回生の新商品を売り出そうというプロジェクトが現場から立ち上げるのですが、その過程で起こる商品企画部との対立、そして会社役員連中との確執など会社勤め経験者にとっては「よくわかっているな〜」と感心するシーンも多々出てくることになります。
この物語は真面目に日々働いている会社員への応援歌にもなっています。
日々の仕事で報われない、人間関係で疲れたと感じている人にとって元気の出るビタミン剤のような効果があるでしょう。
こんな人におススメ!
・何も考えずに純粋に物語を楽しみたい人
・仕事のモチベーションアップにつながる物語を読みたい人
・メーカーや広告宣伝業務の雰囲気を把握したい人
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読書日:2015年7月
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