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無目的に飲んで食べて騒ぐ。贅沢な自由時間

『あやしい探検隊 済州島乱入』椎名 誠著 書評

 

『あやしい探検隊 済州島乱入』椎名 誠著

 

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椎名誠さんの人気シリーズの1つ、『あやしい探検隊』。

 

『あやしい探検隊 北海道物乞い旅』の次の作品で、2015年10月時点でのシリーズ最新作(2013年8月発行)になります。

 

今回の舞台は「韓国のハワイ」といわれる済州島。

 

相変わらず食べて飲んでといった内容でしたが、前回のような旅の大テーマ(飽食時代に逆らう極貧旅)が今回は明確に設定されてはおらず、全体的に統一感がなく、散漫な印象になっていたのは少し残念でした。

 

椎名さんが今回済州島に行ったきっかけは東京から済州島に行く海外チャータークルーズにおいて、船内での講演を依頼されたため。

 

ついでにという感じで旅の目的地が済州島に決まり、13日間滞在。

 

その期間中に20人近くの男たちが日本から煩雑にやってきて、煩雑に帰っていくというスタイルを取っています。

 

旅の大テーマはないのですが、「各地で釣りをしてなんらかの獲物を得る、それに伴い安い韓国食材を買って自炊生活を中心にする。

 

やむなく外食をするといは出来るだけ安い物を食べる」という基本設定があります。限られた予算内での貧乏旅行というわけです。

 

全編、済州島の各地で食べて飲んで、たまに観光スポットに行ってという感じ。

 

写真も豊富に掲載されていますがほとんどが食べ物の写真。特に海産物が多いです。

 

韓国の食べ物というのは安心なのかなというのが疑問だったのですが、以前、椎名さんは大皿を盛り上げるために使う装飾用の「ウドン的ハルサメ」を食べ物と勘違いして、大量に食べてしまい、その後激しい嘔吐に見舞われ続けてそうで、その「ウドン的ハルサメ」は人間が食べる物ではなく、戦時中、豚の餌にしたくらいの物。

 

知識がないということはとても恐ろしいと感じました。

 

また済州島にはカジノがあり、一部のメンバーがカジノをする場面があるのですが、メンバーが大きく稼ぎ始めると、ディーラーをやっていた若い娘がひっこみ、50代とおぼしき非常に恐ろしげな顔と言葉つきのおばさんディーラーに変わったそうで、何とも韓国らしい出来事です。

 

さて、韓国といえば反日感情が気になります。

 

椎名さんグループは旅先で何か嫌な思いをすることはなかったのかなというのが気になりました。最後に下記のような記述がありました。

 

椎名「韓国の人の対日感情は、本当のところどうなの?」

 

ドンス(同行の通訳)「以前は反日のほうが強かったけれど今は反米感情が強くなって、同じくらいですかね」

 

また、ドンスさんは、「韓国人は自分たちが世界最高の民族、というふうに考えている」とも述べており、書かないだけで不快な思いをしたこともあったのかもしれないなと感じます。

 

あんまり、「ハワイ感」は感じられなかったけれど、それは「貧乏旅行」をしているからなのでしょうね。

 

まだ行ったことはない場所ですが何事も経験。機会があれば行ってみたいです。

 

こんな人におススメ!

・椎名誠さんの『怪しい探検隊シリーズ』ファンの人
・済州島について興味がある人
・毎日、食べて飲んで騒ぐ。そんな贅沢を疑似体験したい人

 

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読書日:2015年10月

 

『あやしい探検隊 済州島乱入』椎名 誠著

 

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