読書の楽しさを伝えるための日々の記録

トップページ【評価順】社会の本> 【読書感想】『日本を貶めた戦後重大事件の裏側』菅沼 光弘

今の自分達の価値観は操作されて作られたものなのかもしれない

『日本を貶めた戦後重大事件の裏側』菅沼 光弘著 書評

 

『日本を貶めた戦後重大事件の裏側』菅沼 光弘著

 

サイト管理人の評価

 

スポンサーリンク

 

本書の内容は、タイトル通り、日本で戦後に起きた数々の重大事件に関し、元公安調査丁で旧ソ連、北朝鮮、中国の情報収集に35年間従事してきた著者が、その裏側を暴くというもの。

 

マスコミが報じているニュースは情報操作されたものであり、その裏には様々な国の思惑が入り込んでいる。

 

公安に勤務していたからこそわかる、著者による解説はオドロキの連続です。

 

取り上げている事件は多岐にわたり、私自身、知っている事件から知らない事件までいろいろ。

 

下記に本書で書かれている事件の一覧を、記載いたします。

 

・中国海軍レーダー照射事件
・大韓航空機撃墜事件
・ゾルゲ事件
・ラストヴォロフ事件
・レフチェンコ事件
・下山事件・三鷹事件・松川事件
・金大中事件
・文世光事件
・第十八富士山丸事件
・樺美智子さんの死
・よど号ハイジャック事件
・中川一郎の死
・オウム真理教事件
・警察庁長官狙撃事件

 

この中で比較的興味深く読めたのは、下山事件・三鷹事件・松川事件と私もよく知っている一連のオウム真理教事件でした。

 

下山事件・三鷹事件・松川事件は1949年に国鉄を舞台に立て続けに起きた事件です。

 

下山事件は日本橋の三越本店で行方不明になった国鉄初代総裁の下山定則が線路上で轢死体となって発見された事件。

 

三鷹事件は三鷹駅構内で無人列車が暴走して、多数の死傷者を出した事件。

 

松川事件は東北本線で列車が転覆し、3人が死亡した事件です。

 

これらは共産党がやったというのが通説になっているのですが、実際に裏で仕掛けていたのは、アメリカ(GHQ)であり、その真の目的は、これらの事件で「共産党は怖い」という気持ちを日本国民に芽生えさせ、日本国民全体を反共親米的な状況に持っていくことだったそうです。

 

その目的のためには無慈悲な人殺しも躊躇なく行う。

 

国家権力の恐ろしさを感じます。

 

またオウム真理教が起こした地下鉄サリン事件について、著者は、この事件をただの殺人事件に矮小化してしまう日本国の対応について批判をしています。

 

地下鉄サリン事件は、ロシアなど国際的背景をもつクーデター未遂事件であり、麻原彰晃の最終目的は皇居乗っ取りであったと著書は語っています。

 

裏付けの情報を持っての記載なのですが、以前紹介した『A3【エー・スリー】』はどちらかというと麻原擁護の立場から書かれているので、まだ別の視点からこの事件を知りえることが出来ました。

 

麻原という人物を考えると、ありえそうな野望ではあると思います。

 

オウム真理教はロシアや北朝鮮との関わりが取りざたされていましたがこのように国家転覆を図り、他国が裏で加担していたというのは十分ありえることだということがわかります。

 

本書では特に大きな主張として、アメリカが戦後に占領した時からその影響力はまだ続いており、アメリカ・ロシア・中国・韓国・北朝鮮などが行っているずるがしこい策略をしっかりと見抜く必要があると訴えています。

 

公安として情報収集して来た著者ならではのオピニオンといえるでしょう。

 

日本は平和である反面、影響を受けやすい気質であると感じます。

 

出来事があった時に、その真の意図を考えてみるということは必要でしょう。

 

こんな人におススメ!

・アメリカ、ロシア、中国など他国がどのような陰謀を持ち、行動しているかを知りたい人
・戦後に起きた数々の重大事件について、その真相を知りたい人
・鵜呑みにしがちで、より注意深さを学びたい人

 

スポンサーリンク

 

読書日:2015年12月

 

『日本を貶めた戦後重大事件の裏側』菅沼 光弘著

 

サイト管理人の評価