人間の数だけドラマがある。見えない人間の生態はとても面白い
『探偵裏物語-調査する側される側、それぞれの裏事情』小原誠 著 書評
サイト管理人の評価
スポンサーリンク
著者の小原誠さんは探偵業において、35年以上の実績を持つ人物。
そんな小原さんが受けた驚きの依頼の数々や、探偵業について書いた一冊です。
探偵という仕事は、なってみたい職業の一つでした。
元々私は好奇心が旺盛なので、「どんな依頼があり、どんな人間模様が展開されるんだろう」ということにはとても興味があります。
時々裁判を傍聴しにいったりもしますが、「人間」って何て摩訶不思議な存在なんだろうとしみじみ感じます。
ですのでとても期待して読んでみたのですが、期待通りの面白さでした。
本書はいろいろなコンテンツが入っていますが、秀逸なのが、「現役探偵の調査報告書」というもの。
今まで依頼を受けた案件の中で、特に印象的だったものをピックアップして紹介しているのですが、驚きの連続。
世の中にこんなことがあるんだと思わずにいられません。
それらの内容をざっと紹介してみると…
・夫の愛人の居場所を調査で割り出した後、そこに乗り込み、突如、刺し殺そうとした依頼者である妻
・夫の浮気がバレた罰として、高価なブランド品をプレゼントされたことに味をしめ、以後、定期的に浮気調査の依頼に来るようになった妻
・酔ったことが原因で間違えて娘を犯してしまった父親。そして、そのショックで失踪してしまった娘
・生後1か月で捨てられてしまった子供(今は成人)による母親探しの依頼
・不倫愛の末、自殺を決意して失踪してしまった女性を探す依頼
・痴漢冤罪に問われてしまった大学助教授の必死の証人探し
まるでドラマのような出来事の数々ですが、全て実話であるという点にすごみを感じます。
そしてそれぞれの案件の多くはその人物のその後まで書いているのですが、不幸な出来事の後、幸福をつかむ人も少なくなく、先のことは何がおこるかわからないものだという印象を受けます。
また、探偵の仕事内容についても多く書かれています。
上述したように、「探偵の仕事は楽しそう」なんて考えていたのですが、読んでみると、とても大変な仕事なのだということがわかりました。
例えば証拠写真をおさえるための張り込み。
決定的瞬間が来るまでひたすら待機をする必要があり、トイレさえ我慢しなければならない。
ほとんどの仕事は地味で過酷であり、とても私のような者では出来ないなと感じてしまったのです。
人間は外見は着飾ってはいるけれど、その中には様々な感情がうごめいている。
そこが人間の奥深さであり、興味の尽きない所であるのでしょう。
こんな人におススメ!
・人間そのものに強い興味がある人
・ドラマのような数々の真実を読みたい人
・探偵の仕事を詳しく知りたい人
スポンサーリンク
読書日:2016年1月
サイト管理人の評価