淡々と日常が描かれる。読者により好みが分かれるかもしれない
『昨夜のカレー、明日のパン』あらすじ
テツコは夫・一樹と死別して7年、ギフと呼ぶ義父の連太郎と二人暮らしをしている。
今は同僚の岩井さんと恋人的関係になっているものの、岩井さんからのプロポーズを全く受けられないくらい一樹のことを忘れられない。
岩井さんからプロポーズされたことや、こっそり一樹の骨を(岩井さんの部屋に行く時以外は)持ち歩いていることも、おしゃべりな同僚ギダリエによって知られたくない人達に明かされてしまう…
『昨夜のカレー、明日のパン』書評
本作品についての評判はちょくちょく入ってきていて、いつか読みたいなと思っていました。
特にTBSテレビ『王様のブランチ』だったかと思うのですが、特集していたことがあり、木皿泉はペンネームであり、夫婦で執筆しているということを知り、その興味はますます募っていきました。
ちなみに改めて調べたところ、本書は、第27回山本周五郎賞候補作、第11回本屋大賞2位、さらにはテレビドラマ化されたそうです。
このように期待して読んでみたのですが、残念ながら私の嗜好には合わず、楽しく読むことが出来ませんでした。
この作品では、日常を丁寧に描き、大きな事件はないものの、淡々と人物の心情を描いていきます。
本業は脚本家ということもあり、シナリオの体裁に似て、セリフのやりとりが多くなっています。
本作品はストーリーというよりも、セリフでの会話や登場人物の心理に重きを置いているように感じられました。
そして私の場合、ストーリー展開の巧みさに関心を持つタイプなので、そこに差が生じてしまったといえます。
どちらかというと女性が共感しやすい作品であるといえます。
とはいえ丁寧に作り上げた世界観はやはり見事であり、質の高さを感じます。
読者により合う・合わないが出てきそうな作品ではありますが、一般的に評価も高い作品ですので、一度手によって、じっくりと読んでみても良いかもしれませんね。
こんな人におススメ!
・ストーリー自体よりも世界観や人物描写に注目したい人
・「人を愛すること」のヒントを得たい人
・夫婦の共同作品を読んでみたい人
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読書日:2016年1月
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