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2015年の読書 独断で選ぶベスト10

■選考対象:120冊

 

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僕の死に方 エンディングダイアリー500日 (小学館文庫)

576円

著書は流通ジャーナリストとして、多数のテレビ番組に出演。後に、病気で2012年10月2日にお亡くなりになられました。死の宣告をされ、命を振り絞って書かれたのが本書です。死を前にしてからの覚悟。自分だったら同じように出来るか疑問です。人生観に大きな影響を与えてくれました。

会社、辞めます。私、たこやき屋になります。―いつでも「今」が自分に賭ける時

1569円

一般事務のOLとして2年ほど働いていた著者が突如退社し、「たこやき屋」を始めることに。知識ゼロの状態から5年で大繁盛させるまでの奮闘記です。「何事も行動あるのみ!」という彼女の姿からは大きな勇気をもらいました。チャレンジして得た体験は、思い出の中で宝石のように輝くのです。

家族喰い――尼崎連続変死事件の真相

1836円

2012年に世間を騒がせた「尼崎連続変死事件」に関するルポ。現代の日本でこれほど凄惨な事件が、長年続いていたということは驚愕。主犯格とされる角田美代子(逮捕後に自殺)は、血縁関係にない人物を多く集め、疑似家族を築きあげます。洗脳の恐ろしさ、警察の無能さにショックを受けました。

本の声を聴け―ブックディレクター幅允孝の仕事

1998円

著者の職業はブックディレクター。本好きがこうじて生まれた新しい職業です。その仕事は、クライアントのブランド向上に役立つ本棚を作ること。クライアントは病院や銀行、デパートなど幅広く、各クライアントのニーズに合わせ、本を選定し、並び方も工夫します。「好き」は大事。

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

2808円

とても分厚い本だが、読むのに夢中になり、全く気になりません。ノンフィクションに関する賞を多く受賞した名著。木村政彦は、史上最強の柔道家といわれた人物。しかしながら、日本中が注目した力道山との試合で、力道山の策略により敗北。屈辱にまみれた心情がとても痛々しく伝わります。

6位『C級戦犯がスケッチした巣鴨プリズン』飛田時雄

C級戦犯がスケッチした巣鴨プリズン

1836円

太平洋戦争終戦後にC級戦犯と認定された著者が、巣鴨プリズンで服役していた日々を綴っています。東条英機を筆頭に、A級戦犯となった人々とも共に過ごし、彼らの行動が細かく書かれ、貴重な資料になっています。収監後も戦時中のように偉そうにふるまう軍幹部など、生々しい人間の本性が。

7位『絶望の隣は希望です!』やなせ たかし

絶望の隣は希望です!

1512円

『アンパンマン』を生み出し、2013年に94歳で亡くなられた漫画家やなせたかしさんの回顧録。何と、『アンパンマン』がヒットしたのは60歳をすぎてから。会社生活でいえば定年後となる「超遅咲き」。それまでは全く売れず、大変苦労されたそうです。そんなやなせさんの人生訓は心に響きます。

8位『大統領の料理人』ウォルター・シャイブ

大統領の料理人

92円

著者はホワイトハウスの料理人として、クリントンとブッシュ、両大統領の料理を11年間提供してきました。表にはなかなか出てこない、大統領や婦人、その家族の姿が書かれています。次期大統領候補である、ヒラリーも含め、それぞれの食の嗜好がユニーク。また、9.11事件についての記述も。

9位『ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗』円谷 英明

ウルトラマンが泣いている-円谷プロの失敗 (講談社現代新書)

799円

ウルトラマンを生み出した円谷プロが、今は、パチンコメーカーの子会社になっていることを本書で初めて知りました。なぜ、こうなってしまったのか?円谷プロが経営を断念するまでの経緯が書かれています。元々、ビジネスモデルとして成立していなかったことなど、悲しい事実が多数。

10位『「R25」のつくりかた』藤井大輔

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)

2円

刊行当時、「クオリティの高いフリーペーパー」として、大変な話題となった「R25」の誕生の過程を書いた内容。元々は、「M1層(20歳〜34歳の男性)向の雑誌は成功しない」という通念が業界ではあったそうで、その常識を打ち破るまでの戦略がとても参考になります。

 

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総評
2014年に引き続き、ノンフィクションの本が多くエントリーしました。今年も物語のジャンルあらは1冊も選出されず個人的には寂しい。

 

現実の出来事をも凌駕する物語との出会いを2016年は期待したいものです。

 

今回、ベスト1に選んだ『僕の死に方』は強烈な印象を受けました。自分が死に直面した時、どのような態度を取るべきなのか…。死の尊厳に向き合い、深く考えさせられる内容でした。

 

2015年もたくさんのことを本から学ばさせて頂きました。改めて本の存在に感謝する次第です。