和菓子をテーマにした、軽いタッチでさくさく読めるミステリー小説
『和菓子のアン』あらすじ
将来の進路を考えず漠然と学生生活を送り、進路の決まっていない中を街頭インタビューを曖昧に受け流し、高校を卒業。
顔の知れた地元東京の商店街での勤務を良しとせず、アルバイトで働き口を探していた梅本杏子は、突然降ってきた雨の雨樋に入ったデパート「東京百貨店」の中から、自分が気落ちせずに働けそうな同じ女性が働いていた和菓子屋「みつ屋」を選ぶ。
百貨店テナントの都合から採用は様式に沿う必要があり明日履歴書を持ってくるように言われ、当日の面接では2、3のやり取りの後、即決。
晴れて「みつ屋」でアルバイト生活を開始することになった。
隠語をも含む難解な業界用語、顧客、同僚、産業スパイ疑惑、同業者の不祥事等に、何度も不安に駆られながら業界用語、助言や商品販売で顧客のプライベートに触れての手助け、同僚同士の連携を経験していく。
仕事上の不安は、泥酔客の接客中に同席の立花が客に放った一言で決定的となるが、後日沈む梅本を不審に思った椿が立花に尋ねたところ、椿に誤解を解くように促す。
立花との対話で誤解が解けた梅本は、これからもみつ屋で働き続けることを選ぶ。
※wikipediaより
『和菓子のアン』書評
作者の坂木司さんについては、本作品で初めて知りました。
調べてみたところ、『ひきこもり探偵シリーズ』が代表作とのこと。今度、機会があれば読んでみたいと思います。
本作品を読後、「あとがき」を読んで、この物語が、ミステリー小説であることを知りました。
もちろん、ミステリー要素はあるにはあるのですが、それほど本格的なものではなく、どちらかというとポップでライトなコメディ小説といった印象。
内容が軽い分、楽しくさくさくと最後まで読むことが出来ます。
この物語のユニークな点は、「和菓子」をテーマにしていること。
坂木さんが和菓子についていろいろ学ばれたのでしょうが、和菓子の世界について、様々なことを学ぶことが出来ました。
一つ一つの和菓子に、メッセージがこめられており、コミュニケーションの手段にもなりうる和菓子という存在。
日本らしい奥深さがあります。
小説の舞台はデパ地下にある和菓子のお店であり、アルバイトとして入店した、ふくよかな体の梅本杏子が主人公。
梅本杏子の心の中での突っ込みなども随所に書かれ、全体的にテンポよく、読みやすい文章に出来上がっています。
全部で5章に分かれており、基本的に1章毎に話は完結。
「和菓子」をテーマにいろいろな方向から話を作っています。
和菓子の世界を知ることが出来、マンガみたいな個性豊かな登場人物たちがわいわいと活躍していく。
なかなか魅力的で楽しめるストーリーでした。
こんな人におススメ!
・軽いタッチで楽しめ、さくさく読める小説を探している人
・和菓子の世界に触れてみたい人
・個性豊かなキャラクターが登場する物語を読みたい人
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読書日:2016年3月
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