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今の就活事情を活写するドキュメンタリーのような物語

『「ワタクシハ」』羽田 圭介著 書評

 

『「ワタクシハ」』羽田 圭介著

 

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『「ワタクシハ」』あらすじ

20代の気鋭が描くリアル・シューカツ小説高校生でメジャーデビューという経歴を持つ大学生ギタリスト・太郎。

 

過去の栄光を武器に始めた就職活動だったが、待っていたのは圧倒的に残酷な己の現実で……

『「ワタクシハ」』書評

2015年にピースの又吉さんと同時に芥川賞を受賞した羽田圭介さん。

 

現在は、テレビ番組でもよくお見掛けするようになりました。

 

いわば現在、最もノッテいる文学作家の一人というわけで、作品に興味を持ち、一度読んでみたいと思い、手に取りました。

 

本作品の題材は、「就職活動」。

 

明治大学を卒業して、まだ若い羽田さんだけに、周囲の同級生の就職活動や、あるいはご自身も就活を体験し、それをもとに書かれたのかもしれません。

 

ストーリーはあるにはあるのですが、物語としてのメリハリはあまりなく、どちらかというとドキュメンタリータッチで進行していきます。

 

今の時代の日常を忠実に活写した作品という印象を受けました。

 

映画で例えるなら、ジョージルーカスの『アメリカングラフティー』のよう。

 

そして作品に普遍性はなく、時代とともに評価も風化していく作風なのではないかなと。

 

良くも悪くもですが、その意味では、村上春樹さんとは真逆の質を持った作品であると感じました。

 

私の場合どちらかというと、ちゃんと「物語」になっている小説が好きなので、その意味ではやや残念。

 

但し、「オモロー大阪」など個性豊かなキャラクターも登場し、最後まで楽しく読むことが出来ました。

 

また今の時代の就活事情に興味のある人は、興味を持って読み進めることが出来るでしょうね。

 

若い感性を持ち、この年代でなければ書けない内容を物語に紡ぎあげていく。

 

そんなイメージを羽田さんの作品に持ちました。

 

こんな人におススメ!

・テレビ番組で活躍中の羽田圭介さんの作品を読んでみたい人
・今どきの就職活動事情を知りたい人
・ノンフィクションのような物語を読みたい人

 

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読書日:2016年4月

 

『「ワタクシハ」』羽田 圭介著

 

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