悪徳商法に騙されてみるとどうなるか?
『おいしい話に、のってみた』多田 文明著 書評
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著者の多田文明さんは、ジャーナリストであり、「キャッチセールス評論家」 「悪徳商法評論家」などユニークな肩書を持っています。
「悪徳商法やキャッチセールスなどに騙されたふりをして、進んでみると何が起こるか?」という試みをされており、なかなかチャレンジングなライターさんです。
本書は世の中に氾濫する「美味しい話」にのっかってみたら、何が待ち受けているのか?という、身をもって体験した出来事をまとめています。
多田さんが、のっかってみた「美味しい話」とその結果は以下の通り。
・ブレスレットで金運を開く
⇒ 広告以上の金額を請求され、ブレスレットをつけても金運はサッパリ
・「投資競馬」で大きく儲ける
⇒無料会員といいながら、肝心な情報は有料会員になってから。しかも、結果は大ハズし
・海外の霊能師が未来を予言
⇒「幸運になるためには」と追加の有料オプションをどんどん勧誘される
・人気の「地図塗り内職」で楽して稼ぐ
⇒仕事の仲介はせず、「自ら営業しろ」とお粗末なノウハウを提供される
・「FB」であのタレントと友達になる
⇒有料の出会い系サイトに誘導され、お金を払わせようとする
・「無料悩み相談」にすがる
⇒宗教の勧誘だった
・パチンコの打ち子バイトで月160万円
⇒事前に「情報料」として巨額の金額を請求される
・「名刺交換」から始める投資話
⇒ 投資用不動産の売り込みでとても勧誘がしつこい
・「電話占い」で人生を先読む
⇒ 占い師ではなさそうな人が、適当に回答。時間を引っ張り、多くお金を払わせようとした
・ペニーオークションで商品GET
⇒なかなか落札出来ず、入札用コインの購入代ばかりかさむ
・求人掲示板で仕事を探す
⇒ブランド品購入のアルバイトで、自分のお金でまずは購入。しかし、返金はなし
・「マズイ求人広告」を、追ってみた
⇒「モデル・タレント募集」の求人に申し込みが、別途、高いレッスン料を支払わされる
このようにみてみると、人の弱みにつけこんで、お金をむしり取ろうとする輩がうようよと世の中にいるんだなということがわかります。
しかし、これだけ悪徳商法がはびこっているということは騙される人も多いのでしょうね。
多田さんは、行政にクレームを入れていますが、たらい回しにされ、結局、何もしてくれなかったりと、騙す環境も出来上がってしまっているようです。
「美味しい話には裏がある」という言葉通りの展開で、安易に美味しい話に飛びつくのはとても危険だということを再認識しました。
こんな人におススメ!
・「美味しい話」に騙されたくない人
・悪徳商法の実態を知りたい人
・渾身の体験ルポを読みたい人
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読書日:2016年4月
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