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ダイナミズム溢れ、カタルシスもある骨太の作品

『下町ロケット』池井戸 潤著 書評

 

『下町ロケット』池井戸 潤著

 

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『下町ロケット』あらすじ

主人公・佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいたが、突然の取引停止、さらに特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。

 

一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、百億円を投じて新型水素エンジンを開発。

 

しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていた。

 

宇宙開発グループ部長の財前道生は佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、特許を20億円で譲ってほしいと申し出る。

 

資金繰りが苦しい佃製作所だったが、企業としての根幹にかかわるとこの申し出を断り、逆にエンジンそのものを供給させてくれないかと申し出る。

 

帝国重工では下町の中小企業の強気な姿勢に困惑し憤りを隠せないでいたが、結局、佃製作所の企業調査を行いその結果で供給を受けるかどうか判断するということになった。

 

一方、佃製作所内部も特に若手社員を中心に、特許を譲渡してその分を還元してほしいという声が上がっていた。

 

そうした中、企業調査がスタート。

 

厳しい目を向け、見下した態度をとる帝国重工社員に対し、佃製作所の若手社員は日本のものづくりを担ってきた町工場の意地を見せる。

『下町ロケット』書評

多くの作品がドラマ化され、ヒット作にもなる池井戸潤さんの作品。

 

『半沢直樹』などドラマでは視聴していましたが、原作は今まで読んだことがありませんでした。

 

池井戸作品の魅力を知りたいと思い、手に取った一冊。

 

ちなみに、本作は直木賞作品なのですね。

 

そして結論から述べると、「とても面白かった!」。どんどんドラマ化されるのには、やはり理由があるというわけです。

 

ロケット開発の夢をいつまでも持ち続ける主人公の佃。そして、それを邪魔する数々の障害。

 

ダイナミズムに溢れ、そして、カタルシスもある。

 

主人公に共感し、まるで自分が困難に直面しているような気分に。どんどん読み進められます。

 

日本国民の大半が感動する、「国民的作品」ともいえる仕上がりになっているのではと感じるほどです。

 

特に、社会人として働いている人々にとっては、勇気付けられ、困難に立ち向かう元気が湧いてくる作品。

 

「仕事って、夢を実現させることにあるんだよな」と感じさせてくれます。

 

こんな人におススメ!

・仕事にやる気を持ちたい人
・読後、スカッとする物語を読みたい人
・個性豊かなキャラクターを楽しみたい人

 

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読書日:2016年5月

 

『下町ロケット』池井戸 潤著

 

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