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心理学的なアプローチからお金を知る
『「お金」のシークレット』デビッド・クルーガー著 神田 昌典訳
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本書を手に取った理由は、監訳が神田昌典さんだったからです。
神田昌典さんは、経営コンサルタントとしてご活躍されていますが、成功法則のバイブルともいわれている著書『非常識な成功法則』が有名です。
私も大いに影響を受けました。
神田さんはこの著書の大ヒットにより、一躍時の人になるわけですが、その後刊行された『成功者の告白』では、仕事もプライベートでもボロボロになっていたご自身の様子が語られ、これまた甚大な衝撃を受けました。
そんな神田さんがチョイスして翻訳した本なのでとても期待が持てました。
一方、著書のデビッド・クルーガーさんは、医学博士。
精神科医として20年の経験の中で、いかに「無意識下の思い込み」がお金の問題として露見するかに着目し、その法則性を理論化した人物とのこと。
本書は、「マネー・ストーリー」という言葉を使い、お金と正しく向き合うヒントを伝えています。
著書によると、お金は虫メガネのようなものであると述べ、「困ったときほどその人の人柄が出るのと同じで、お金は人の性格をはっきり拡大して見せる」とのこと。
要は、お金はその人の使い方次第で毒にも薬にもなるというわけです。
本書は14の章で成り立っており、それぞれのタイトルは以下の通り。
1章 「お金の世界」に起きた最大の変化
2章 運命が左右される質問 あなたにとって「お金」とは何か？
3章 お金の魔力 人生の中で、あなたが大切だと思うものは？
4章 「失ったもの」を見る人、「残ったもの」を見る人
5章 あなたを動かす「お金の物語」
6章 お金の決断 「大儲けしたとき」、あるいは「大儲けを想像したとき」
7章 投資の判断 あなたに都合のいいことばかりは起こらない
8章 天使の「節約」 ムダ遣いの落とし穴を知る
9章 「見えないお金」 クレジットカードの真実
10章 うまい話 「今だけ」「あなただけ」という罠
11章 報酬 「お金はいくらあれば十分ですか？」
12章 人生を次のステージへ引き上げる「金銭力」
13章 あなたの新しい「マネー・ストーリー」をつくる！
14章 「本当に大切なもの」を手に入れる生き方
本のタイトルからして、「ザ・シークレット」のように、潜在意識を活用して収入を増やす内容かなと思っていたのですが、心理学的なアプローチで「お金との正しい向き合い方」を伝えるという内容。
やや期待外れではありましたが、いくつか納得することもありました。
・「損をした苦痛」は「儲けた喜び」の2倍
・脳は「大儲けしたとき」よりも、「大儲けを想像したとき」に喜ぶ
・クレジットカードの利用は、消費の感覚が鈍り、どんどん使ってしまう
などなど。
お金の誘惑にかられてしまうといつまでたっても貯蓄は増えず、理性的に収入を増やしていかなければいかねいというわけです。
読んでみると、お金に対する概念に変化が出てくる人もいるでしょう。
日ごろ、ムダ遣いが多く、お金がなかなか貯まらないと嘆いている人に読んで頂きたいですね。
こんな人におススメ！
・ついつい無駄遣いをしてしまう人
・お金に対する考え方を変えたい人
・お金に対する心理的傾向を学びたい人
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読書日：2016年5月
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