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お金の価値について考えさせてくれる

『億男』川村元気著 書評

 

『億男』川村元気著

 

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『億男』あらすじ

宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男。浮かれる間もなく不安に襲われた一男は、「お金と幸せの答え」を求めて大富豪となった親友・九十九のもとを15年ぶりに訪ねる。

 

だがその直後、九十九が失踪した―。

 

ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、チャップリン、福沢諭吉、ジョン・ロックフェラー、ドナルド・トランプ、ビル・ゲイツ…数々の偉人たちの“金言”をくぐり抜け、一男の30日間にわたるお金の冒険が始まる。

 

人間にとってお金とは何か?「億男」になった一男にとっての幸せとは何か?九十九が抱える秘密と「お金と幸せの答え」とは?

『億男』書評

著者の川村元気さんは、日本の映画プロデューサー、作家、絵本作家。

 

東宝で『電車男』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』などの映画を製作されています。

 

本書を読むまでこの方について存じ上げなかったのですが、本屋でずいぶんプッシュされている一冊という印象があり、手に取ってみました。

 

主人公の一男は失踪した弟が負った借金3千万円を背負うことになり、これがきっかけで妻・子供と別居します。

 

苦しい生活が続くなか、ひょんなことがきっかけでもらった宝くじが3億円当選。

 

突如、億単位のお金を持つことになり、冒頭からとても惹きつけられる展開に。

 

当選からお金を受け取るまでの過程を丁寧に描いており、高額当選者はこのようにしてお金を受け取るんだなということがわかります。

 

そして、いきなり大金を持ってしまった一男は、学生時代の友人で今はおお金持ちの起業家として活躍している九十九にお金の使い方を指南してもらうため、3億円が入った鞄を抱え、九十九のもとへ。

 

しかしながら、九十九の家で夜を明かしたその翌朝、九十九は一男の3億円を持ったまま失踪してしまうという予想外の展開。

 

一男は、九十九の行方を追いながら、その過程で様々な人物からお金の価値を学んでいくというお話です。

 

この物語では様々な著名人のお金に関する格言が紹介されており、お金の本質について考えさせてくれます。

 

お金はもちろん大事だけれども、お金で買えない価値もある。

 

どこかのカード会社のCMのフレーズのようですが、この点について、理解出来るようになります。

 

一男にとって、大切なのはやはり別居してしまった妻と子。

 

しかしながら、妻が「たとえ一男が大金を持っても、もう元に戻ることはないだろう」と述べるくだりは、人間の本質を伝えているでしょう。

 

お金があまりなくても仲の良い夫婦はたくさんいますしね。

 

自分にとって本当に大切なことは何か。そして、その実現のためにお金をどう向き合えばよいのか。

 

そんな気づきを与えてくれます。

 

こんな人におススメ!

・お金の価値観についてじっくり考えてみたい人
・宝くじに当たったらどうなるかを知りたい人
・楽しく、考えさせられる物語を読みたい人

 

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読書日:2016年8月

 

『億男』川村元気著

 

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