平成史というよりは各分野の現状と提言
『日本一早い平成史』島田 裕巳など著 書評
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平成も間もなく30年になろうとしています。歴史として既に確立しており、今のタイミングで平成の歴史の流れを把握したいと思い手にした本です。
本書では分野別に分かれ、各分野の権威が執筆しています。
・経済 小幡績(経済学者 個人投資家)
・教育 和田秀樹(精神科医)
・雇用・暮らし 三浦展(マーケティング・アナリスト、評論家)
・宗教 島田裕巳(大学教授)
・女性 坂東眞理子(大学学長)
・報道 森達也(映画監督、ドキュメンタリー作家)
・環境 武田邦彦(工学博士)
・政治 有馬春海(政治評論家)
本書は1989〜2009年の出来事をベースに書かれ、2009年6月に発行されていますが、歴史というよりは各分野の現状と今後に向けての提言を行うという内容です。
様々な分野の現状を認識するという意味合いでは良かったですが、純粋に歴史を把握しておきたかった私としては少々残念でした。
全体的にあまり頭に入ってこず、提言についてももう少し具体的に踏み込んだものにして欲しかったという物足りなさも残りました。
もう一つ、各分野で未来予測のようなものも書かれているのですが、未来を見据えるというのはとても難しいなという印象です。
何事も当時の延長通りに進めば良いのですが、予期せぬ出来事が起こり、全く想定しえなかった事象が起こるのは仕方ないでしょう。
例えば、政治の分野では、「来るべき総選挙では、民主党が政権を手に入れる可能性が高く、大きな歴史の転換点になるかもしれない」と書かれていますが、結局尻すぼみになり、再び自民党が長期政権を担っているのが現状です。
平成の時代において、各分野の現状を把握するために参考となる本になるでしょう。
こんな人におススメ!
・平成において教育や宗教、雇用など様々な分野の現状や課題を把握したい人
・各分野の権威者の提言を読みたい人
・1989年から2009年までの平成史年表を読みたい人
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読書日:2015年5月
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