トップページ > 【評価順】自己啓発の本> 【読書感想】『本多静六 人生を豊かにする言葉』本多 静六 池田 光
身体の底から生まれた輝く言葉の数々
『本多静六 人生を豊かにする言葉』本多 静六著 池田 光解説 書評
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本多静六は江戸末期から昭和の時代に活躍した日本初の林学博士。
日比谷公園などの設計、国立公園の設置に尽力し、「日本公園の父」と称されました。
11歳で父を失った本多静六は、多額の借金が家に舞い込むように。それでも苦学の末、東京山林学校に入学。一度の落第を経て猛勉強して主席で卒業。
その後、ドイツ・ミュンヘン大学に私費留学し、2年間で国家経済学博士号を取得。
帰国後、東京農科大学教授になります。
一方、独特の生活哲学と山林、土地、株の売買などで巨万の富を築き、蓄財家としても知られています(後にほぼ全ての富を教育、公共の関係機関に寄付)。
「人生即努力、努力即幸福」をモットーに、戦中戦後を通じて、質素な生活を続け、370冊余りの著作を遺しました。
昭和27年、85歳で逝去されています。
本書は本多静六が書き残した人生論から教えを選択、分野別にまとめ、「成功哲学」の研究、執筆を行っている池田光さんがそれぞれの教えに解説を加えています。
分野は「成功と失敗」「人生哲学」「職業道楽」「仕事の流儀・勉強の仕方」「お金とのつきあい方」「自己鍛錬・人とのつきあい方」「人生計画」「健康・長寿」に分かれています。
紹介されている数々の教えはとても心に染み入ります。
それは、本当に苦労して勉強し、学力だけで地位を築き、無一文だった状態から巨万の富を得た本多静六の生き様から生まれた言葉だからなのでしょう。
このような金言集を出す人は他にもいますが、その人の生き方から出てきた言葉なのか、それともうわべだけの言葉なのかで受け手側の印象は大きく異なります。
そして、本多静六の教えは腹の底から生み出たものだと感じるのです。
・努力の前に閉ざされた扉は一つもない
・真の成功には速成もなければ裏道もない。あせらず、怠らず、長い道を辛抱強くすすんでいくよりほかはない
・人生計画の最小区画である日々の実行を怠ってはならない
といった具合です。
もう一つ、お金についての考え方は私の投資哲学にも大きく影響しています。
有名なのが、「四分の一貯金法」。通常収入は、それが入ったときに、四分の一を天引きして貯金する。臨時収入は、そのすべてを貯金するという方法を本多静六は取っていました。
入ったお金の一部を貯金にまわすというのは、財を貯める上で必須条件であると思います。
心に響く言葉の数々。生きている教えとはこのことをいうのでしょう。
こんな人におススメ!
・努力して財産と地位を得た人物の血の通った教えに触れたい人
・何度も読める「座右の書」を探している人
・資産を築くヒントを得たい人
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読書日:2014年7月
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