トップページ > 【評価順】エッセイの本> 【読書感想】『直観力 私が囲碁から学んだ生きるということ』マイケル レドモンド
インターネットの登場は囲碁の世界にもインパクトを与えた
『直観力』マイケル レドモンド著 書評
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著者のマイケルレドモンドさんはアメリカ出身の囲碁棋士。
10歳の頃に囲碁に出会い、13歳の時に来日しています。数少ないアメリカ人のプロ棋士で、欧米人として初めて九段に昇段した方なのだそうです。
私は普段は囲碁をやらないのですが、『ヒカルの碁』という漫画が少し前に流行り、私も読んでいたので改めて囲碁の世界に触れてみたいと考えました。
本書はアメリカ人棋士という立場から見た「囲碁の世界」を書いており、興味を持ち手に取りました。
本書では、「日本と囲碁」「出会い」という2部構成になっており、囲碁の歴史や奥深さ、またはマイケルさんから見た日本の魅力を綴っています。
マイケルさんは想像力を駆使して考えることが、全体を見る広い視野を養うことになると述べ、また、囲碁の最大の魅力として自分の石をどこに置いても良いという自由さにあると語ります。
中国では囲碁を「頭脳スポーツ」として体育の分野に位置付けており、作品を創り上げていくという側面に着目すれば、囲碁は芸術でもあるとのことで、囲碁というのは簡単に定義付けることが難しい様々な要素が含まれている点が魅力なのだと感じました。
読み終わり、マイケルさんがインターネットの登場に懸念を持っている点が印象に残りました。
インターネットを介して、世界中の棋士や囲碁愛好家と対局することが可能になった反面、相手の表情や気配を感じ取ることが出来ないことから、本当の強さを得ることが出来ないのではないかという疑問を持たれています。
インターネットがもたらす、利点と負の部分はこんな所にも現れていたのです。
今まで囲碁に関わらなかった人でも囲碁の奥深さを理解出来る読みやすい一冊です。
こんな人におススメ!
・囲碁の奥深さ、魅力を知りたい人
・日米の文化比較論を読みたい人
・囲碁の世界においてインターネットがもたらす影響を知りたい人
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読書日:2014年2月
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