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創業者の哲学の違いが全く異なる会社を生み出していく

『ユニクロ対ZARA』齊藤 孝浩著 書評

 

ユニクロ対ZARA

 

サイト管理人の評価

 

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本書はグローバル企業トップブランドの「ユニクロ」と「ZARA」の比較論をファッション流通コンサルタントが展開する内容です。

 

これまでユニクロについての関連本は興味があったので多く読んでいましたが、ZARAについてはあまり知りませんでした。

 

読んでみて、同じアパレル産業でありながら、経営者のポリシーが異なるとこうも違うものなのかと感心してしまいました。

 

ファッション流通企業においてZARAを擁するインディデックス(スペイン)の売上は世界1位、対してユニクロを擁する日本のファーストリテイリングは4位。

 

共に規模でいうと世界を代表する企業になっています。

 

この2社は戦略面においてあらゆる点が異なっており、特に大きな差異としては、ZARAがファッショントレンドを追求し、ユニクロがベーシック衣料を強みとしていることでしょう。

 

ZARAはそのため鮮度にこだわり、新商品を4週間、追加商品を2週間で作れる体制を築き、さらにヨーロッパ近隣諸国へは36時間以内、それ以外の地域には48時間以内に届けられる仕組みが出来上がっています。

 

「作ったものを売る」ユニクロと、顧客の反応を見てすぐに商品に反映させる「売れるものを作る」ZARAは販売方針からして異なるというわけです。

 

また、広告宣伝に対する考え方の違いも印象的でした。

 

年52週欠かさずチラシを折り込むユニクロに対し、ほとんど広告宣伝を行わず、「店舗こそ最大の広告宣伝」と考え、厳選した出店を心がけるZARA。

 

このように面白いまでに対象となる戦略を手掛けているのです。

 

これらは全て、それぞれの経営者の考え方の違いが原因のようです。

 

ZARAのオーナー、アマンシオ・オルテガ氏の経営信念は「世界中のすべての女性におしゃれになってほしい」というもの。

 

この信念があるからこそ、鮮度の良いトレンドファッションをいち早く世界に流通させることに腐心しているのだということがわかります。

 

ベーシックカジュアルを追及している柳井さんとは対をなす考え方です。

 

結局のところ、考え方をどのように効果的に発展させるかということが大切であり、アプローチの仕方というのは様々であるのだなと感じました。

 

このように同じ業界で同じ規模でありながら、経営信念が全くことなる企業が存在するというのは十分あり得ることなのかもしれません。

 

同じ業界で同じような規模でアプローチの全く異なる会社。

 

それぞれの戦略の違いは興味深いものでした。

 

こんな人におススメ!

・同じ業界で同じ位の規模の企業でも全くアプローチが異なることを知りたい人
・ユニクロとZARAの経営信念の違いを学びたい人
・経営信念を実現させるためにどのような施策をしているか知りたい人

 

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読書日:2015年6月

 

ユニクロ対ZARA

 

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