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マクドナルド凋落後に読むと全てが虚しい

『大きく、しぶとく、考え抜く。』原田泳幸著 書評

 

『大きく、しぶとく、考え抜く。』原田泳幸著

 

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この本が発行されたのは2012年9月25日となっています。

 

原田泳幸さんが2004年に社長になってから2011年までほぼ右肩上がりの業績で推移し、この時期はまだ名経営者として讃えられていました。

 

しかしながら私がこの本を読んだのは2015年7月。ちょうど2013年あたりからマクドナルドは凋落の一途を辿り、原田さんは退陣(本書では70歳までは続けたいと述べています)。

 

業績悪化の原因は原田社長時代の様々な施策のせいだという声も出ている始末です。

 

そんな現代の視点からこの本を読んでみると何とも複雑な気分になってしまいます。

 

本書では原田さんの経営論が語られているのですが、どうにも「俺様感」が漂い自慢話が多い印象を受けてしまいます。

 

発行当時に読んでいれば共感する面も多かったと思うのですが、2015年の視点から疑って読んでしまう自分が悲しいです。

 

但し、書いてある内容自体は「なるほど」と思わせることも多いです。

 

「目の前の数字に一喜一憂せず、大きな流れで数字を見極めることが肝心」「お客様が分からない論理で説明をしない。問答集を覚えるより商売の感覚を磨く」「自社が本当になすべきことは何か。原点に戻って、追及することでブランドも強くなる」といった具合です。

 

さらに、原田さんは人材育成にも力を入れていたことがわかります。

 

メニュー、マーケティング、オペレーションなど部門をまたいで最適化を考えられる後継者を育成しなければいけないと述べられています。

 

しかしながら、これら全ての教えが、今の状況から見てうまくいっているとは思えないのです。

 

ブランド力はガタ落ちですし、人材が育っていたら今のようにはなっていなかったでしょう。

 

結局は原田さんの自己満足であったのか、それともファーストフードの衰退は大きな時代の趨勢であったのかもしれません。

 

但し、原田さんは本当に仕事をすることが好きなんだなということが伝わります。そして、このことは経営者というお仕事がとても魅力的に映ります。

 

会社勤めをしていた時にこの本を読んだらモチベーションが上がるだろうなと感じます。

 

読む人や時期によって様々な受け取り方が出来る一冊なのではないでしょうか。

 

こんな人におススメ!

・原田泳幸さんの経営論を学びたい人
・「なぜマクドナルドの業績が悪化したか」のヒントを得たい人
・日々の仕事でモチベーションを上げたい人

 

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読書日:2015年7月

 

『大きく、しぶとく、考え抜く。』原田泳幸著

 

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