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勝負所での腹のくくり方は見事

『起業家』藤田晋著 書評

 

『起業家』藤田晋著

 

サイト管理人の評価

 

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サイバーエージェント社長藤田晋さんがご自身の仕事の軌跡を物語として紹介しています。

 

以前、『渋谷ではたらく社長の告白』という本を出され、起業、そしてITバブル崩壊による苦しみとそこからの再生を書かれていましたが、本書の内容はその続きとなっています。

 

私もインターネット業界で働いていたこともあり、藤田さんの存在には一目おいていました。

 

インターネット業界は浮き沈みが激しく、慢心や油断で急速に業績が悪化して消えていった経営者も少なくありません。

 

そのような荒波の中でも生き残り続け、今もなお成長を続けているサイバーエージェントという企業はお見事という他ありません。

 

本書ではインターネット広告代理店という立ち位置だったサイバーエージェントを次のステージに成長させるべく、メディア企業に変化させるまでを描いています。

 

それは、「アメーバ」というブログを主体としたメディアなのですが、ずっと赤字続きで大変な困難を伴っていました。

 

この時期は私もネット企業で働いていたので、リアルタイムでこの出来事を把握していました。

 

その時のサイバーエージェント社内の実状を知ることが出来たのはとても良かったです。

 

藤田さんはなかなか軌道に乗らないアメーバ事業に関し、当時の担当幹部全員を更迭させ、自らがその職を兼任するという決断をします。

 

会社の危機に対し、自らが前線に立つというのは、リーダーシップを発揮するにあたりベストな選択であり、下の人々も納得してついていくのではないでしょうか。

 

リーダーシップを学ぶ上で大いに参考になります。

 

また、藤田さんはその勝負勘がすごいと感じます。ここでメディア企業に転換しないと今後の成長は見込めないと判断し、全身全霊をメディアの立ち上げに邁進するその決断力と集中力。

 

その資質があったからこそ今のサイバーエージェントがあるのでしょう。

 

藤田さんは学生時代、「伝説の雀士」といわれる桜井章一さんの元で麻雀を学んだそうです。

 

そこで培った勝負勘が経営にも生かされているという気がしてなりません。

 

ここ一番での勝負。そして、それに勝ち切る強さ。

 

藤田さんがリーダーシップを執り続ける限りサイバーエージェントはまだまだ成長し続けるのではないでしょうか。

 

こんな人におススメ!

・理想的なリーダーシップの見本を知りたい人
・勢いのある経営者の勝負勘を知りたい人
・メディア立ち上げの参考にしたい人

 

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読書日:2014年11月

 

『起業家』藤田晋著

 

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