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繰り返し何度も読んで、「思考の鋳型」を身につける

『超したたか勉強術』佐藤 優著 書評

 

『超したたか勉強術』佐藤 優著

 

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著者の佐藤優さんは、元外務省主任分析官であり、現在は政治評論家としても、様々なメディアで政治ニュースに対し、コメントしています。

 

私は元々、大学で政治を専攻するほど、政治に関心が高く、ラジオ番組などで佐藤優さんの発言をよく聴きます。

 

佐藤さんのコメントは、ニュースの表面では決してわからない、裏の事情や視点を語られているので、「インテリジェンス」というのは並みの人間ではなかなか務まるものではないのだなということをつくづく感じていました。

 

本書は、そんな佐藤さんが提示する「勉強術」ということで興味深く読みました。

 

この本は、自分なりの視座を獲得するための習慣を身につけ、感情論ではなく、どんな立場の人とも議論できる「最強のインテリジェンス思考法」を伝えています。

 

生き抜くための「思考術」の身につけ方ということで、とても有益な一冊であるといえます。

 

まず、佐藤さんは、「ある物事に対して自分なりの視座を持つために最低限必要な要素」を伝えています。それは、次の4つ。

 

・基礎教養を身につける
・情報収集
・基礎教養と収集した情報の運用
・内在的論理を探る

 

まずは、新聞や雑誌などを中心に情報収集を行い、それらの事件の由来や要素を、基礎教養を元に、分析。

 

そのテーマが持つ意味や内的動向を探っていくというわけです。

 

いくらたくさん情報収集しても、基礎教養が出来ていないと、表面の確認だけで終わってしまい、その本質を見抜くことが出来なくなってしまうということがわかります。

 

また、「思考の鋳型」を鍛えるための、思考のポイントを19個、事例を交えつつ解説しています。その19は次のような内容。

 

・アナロジーで考える
・敷衍して論を発展させる
・正反対の人物をイメージする
・共通点と相違点を探す
・歴史的事実を使って規定する
・情念面からもアプローチする
・アイデンティティーに注目する
・第3の立場から考える
・別の概念にあてはめる
・さらなる謎に迫る
・他人事と捉えない
・他の選択肢の可能性を探る
・価値を相対化する
・立ち位置に目を配る
・感情的な要素を排除する
・ルールの数はしぼる
・効果的に敷衍を使う
・双方の立場から立論する
・裏返して考える習慣をつける

 

一つの事例に対し、これだけの視点で思考すると、確かに、独自の考え方が生み出され、したたかにこの世の中を生き残ることが出来るであろうなと思います。

 

但し、優秀な佐藤さんに比べて、凡人な私が身につけるには、この本を何度も繰り返し読み、意識的に実践を続ける必要があると痛感しました。

 

少なくとも、一度読んでマスターするというような類のものではないです。

 

私自身も様々なブログで自分の考え方を伝えているのですが、このポイントを意識しながら考え続けることで、少しづつ身に着けることが出来るのかなと感じています。

 

こんな人におススメ!

・今の世の中で生き残るための思考術を身につけたい人
・独自の有益な意見を語れるようになりたい人
・イスラム国についての佐藤優さんの見解が知りたい人

 

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読書日:2016年02月

 

『超したたか勉強術』佐藤 優著

 

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