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エリート高校生達の正しくもどこかおかしい野球理論

『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』高橋秀実著 書評

 

『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』高橋秀実著

 

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開成高校といえば、東京大学合格数全国1位として有名な名門校。

 

そんな開成高校の野球部が平成17年夏の全国高校野球選手権大会の東東京予選でベスト16にまで勝ち進むという快挙を成し遂げました。

 

しかも週1回3時間しかグランドを使えないという状況で。

 

その快挙の理由をノンフィクション作家の高橋秀実さんが直接開成高校野球部に取材して探るというのが本書の内容になります。

 

また、この本をベースにした連続ドラマが嵐の二宮和也さん主演で2014年に日本テレビで放映されました。

 

その戦略は開成高校らしく確率論を駆使した頭脳的なもの。

 

「選手たちは下手だ」というところからスタートしているので通常のセオリーから外れたユニークな方針を打ち立てています。

 

その戦略は「ドサクサ」。強く振り向き相手にショックを与え、そうしているうちに一気に大量点を取り、ドサクサに紛れてそのまま勝ち切るというものです。

 

実際、ベスト16に到達した時の開成高校の成績は毎回1試合あたり10点近く点を取り勝利しています。

 

開成高校の青木監督は「ハイリスクハイリターン」の方法であると述べています。

 

一方、部員達も独特のセオリーの持ち主が揃っています。

 

彼らの話を読んでいると、さすがに頭がいい、しかしながら頭でっかちでどうも現実離れしていることを考えているなという印象です。

 

そんな思いは高橋秀実さんも同様のようで、彼らの話に心の中でいちいち突っ込みを入れているのがユニークです。

 

全体を通して、開成高校野球部の強さの秘密をさぐににいったら、監督や生徒の発想があまりにもぶっ飛びすぎていて「大丈夫かいな」と懐疑的になってしまう。

 

そんな著者である高橋さんの戸惑いが聞こえてきそうな、何とも味わいのある本になっています。

 

こんな人におススメ!

・エリート達の独特な「モノの考え方」に触れたい人
・野球で勝つことについて一風変わった戦略を知りたい人
・肩肘を張らずのんびりと読書を楽しみたい人

 

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読書日:2015年8月

 

『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』高橋秀実著

 

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