読書の楽しさを伝えるための日々の記録

トップページ【評価順】歴史の本> 【読書感想】『龍馬史』磯田 道史

日本史最大のミステリーの1つ「坂本龍馬暗殺犯」に1次史料から迫る

『龍馬史』磯田 道史著 書評

 

『龍馬史』磯田 道史著

 

サイト管理人の評価

 

スポンサーリンク

 

日本史史上最大のミステリーと呼ばれるものは幾つかありますが、その中の代表的なものの1つが「坂本龍馬暗殺の犯人」でしょう。

 

司馬遼太郎の『竜馬が行く』などをきっかけに坂本龍馬人気が絶大なものであるだけに注目度の高いミステリーとなっています。

 

本書は映画化もされた『武士の家計簿』など良質な著書を多く生み出している歴史学者磯田道史さんが数々の1次史料を生真面目に丹念に辿り、「龍馬暗殺」の背後に迫るという内容になっています。

 

このテーマは私も元々関心が高いということもあり、とても興味深く読み進めることが出来ました。

 

坂本龍馬暗殺の犯人は今までいろいろな候補が挙がってきました。

 

新撰組黒幕説、紀州藩黒幕説、土佐藩黒幕説、薩摩藩黒幕説、はたまたフリーメイソン説なんてものも。

 

しかしながら、本書によると実は、現在では、これまでに公表されてきた史料を並べていけば、龍馬暗殺の実行者から「黒幕」の姿までかなり浮かびがっており、一般に思われているほど、龍馬暗殺は謎でなはいということろまで来ているそうです。

 

具体的な犯人はここでは隠しますが、本書でははっきりとその解答を示しています。

 

現存する龍馬が書いた139通の手紙から15点を選んで解説しながら龍馬の人となりと考えていたことを丹念に読み解いており、坂本龍馬がとてもリアルに感じられます。

 

あの時代において坂本龍馬は独特の感性を持ち、それが良さでもあり、短所にもなりえてしまったのだとわかります。

 

磯田さんが1次史料を丹念に紐解きながらじっくりと分析を行っており、読後の満足度はかなり高いものでした。

 

歴史好きの方であれば楽しく読むことが出来るでしょう。

 

こんな人におススメ!

・坂本龍馬暗殺の謎の核心に迫りたい人
・坂本龍馬の実像を感じ取りたい人
・歴史ファン(特に幕末期)の人

 

スポンサーリンク

 

読書日:2014年7月

 

『龍馬史』磯田 道史著

 

サイト管理人の評価