万葉集から村上龍まで。フーゾクを通じて日本史を学ぶ
『フーゾクの日本史』岩永 文夫著 書評
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著者の岩永文夫さんは風俗評論家として、フーゾクの経済学や文化論などを書かれているそうです。
歴史書が好きな私ですが、「フーゾク」を切り口にしており、違った視点で歴史を捉えられるかなと感じました。
本書では年代別に章立てされており、第1章の「上代〜中世」から第5章の「昭和40年代〜現在」まで書かれています。
風俗に関し、『万葉集』から歌謡としてちゃんと残されているとのことで驚きです。
しかも、性についてとてもおおらかだったそうで独身、既婚関係なく男女とも積極的に性を享受していたとか。
貞操観念がある今の時代とは大いに異なります。
貞操観念という考え方は明治期の外国人の価値観が導入され始めたことがきっかけなのかもしれません。
全編を通して様々な文学作品が登場し、それにまつわる新しい発見も多いです。
例えば永井荷風なども吉原での初体験を作品として発表してしまう。とてもオープンな時代が長きにわたり続いていたということがわかるのです。
文化史のような様相であり、各時代の空気感のようなものも感じられ、同じような本はなかなか出てこないであろう貴重な一冊でした。
こんな人におススメ!
・「性」の視点から日本史を知りたい人
・文学に出てくるフーゾクを知りたい人
・日本人の性に対する意識がどのように変化したか知りたい人
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読書日:2014年3月
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