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成熟してより重厚でシャープになった村上龍さんのエッセイ

『櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。』村上 龍著 書評

 

『櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。』村上 龍著

 

サイト管理人の評価

 

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村上龍さんのエッセイを読むのは実に久しぶりです。

 

一番龍さんの本を読んでいた時期は学生の時で小説からエッセイ、さらには映画にCDと手あたり次第作品に触れていた記憶があります。

 

エッセイは独特のエッジが効いており、それが魅力になっていました。

 

本書はエッセイシリーズ『すべての男は消耗品である』の作品であり、2011年1月〜2012年6月まで『メンズジョーカー』で掲載されたものが収録されています。

 

このエッセイシリーズが今もなお続いていることに驚きました。1作目は1987年に刊行されています。

 

本のタイトル『櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。』は、梶井基次郎の短編『櫻の木の下には』をモチーフに、2011年3月11日に起きた東日本大震災の事象を反映して付けられています。

 

本書ではこの震災についての多くのページがさかれています。

 

それ以外に、婚活やプロテニス、有名と無名のメリットなど興味をそそられるトピックスについて書いています。

 

私にとって久しぶりの龍さんのエッセイでしたが、ずいぶんと文章が成熟したなという印象を持ちました。

 

テレビ番組『カンブリア宮殿』などで深社会と関わりあった影響なのかもしれませんが、龍さんの主張はますますシャープになり、客観的に判断しているような気がします。

 

かっての尖った部分はなくなりながらも重厚で力強いメッセージを発していると思いました。

 

東日本大震災は世の中に大きなインパクトを残し、日本のダメな部分もさらけ出してしまいました。

 

世界の繋がりがますます濃くなるであろうこれからの社会において、日本はどのように国作りをすすめていくべきなのか。

 

そんな課題が本書を読んで頭をよぎりました。

 

こんな人におススメ!

・東日本大震災に関する村上龍さんの見解を読みたい人
・作家の日常を知りたい人
・自分に生き方について考えてみたい若い人

 

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読書日:2015年3月

 

『櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。』村上 龍著

 

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