世俗を超越した養老孟司さんの回答に真実が隠れているかもしれない
『養老孟司・太田光 人生の疑問に答えます』養老孟司製作委員会編 書評
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著者の1人、養老孟司さんは東京大学名誉教授であり、医学博士。
様々な臨床経験から得た解剖学・脳科学の知見から、人間の心の問題、社会の問題に取り組み支持を集めています。
著書『バカの壁』は400万部を超える大ベストセラーになりました。
養老さんの本は何冊か読んでいますが、含蓄のある情報を多く含んでおり、本書も興味を持って読んでみました。
この本のベースはNHKで放送された人生相談の番組で、聞き手は爆笑問題の太田さんが行っています。
掲載されている相談は、それぞれ「自分という壁を破るために」「家族、子供とどう向き合えばよいのだろうか」「本当に住みやすい社会、働きやすい社会とは」というようにジャンル分けされています。
様々な相談に対し養老さんがまず答え、その答えを元にさらに太田さんも回答するという流れです。
養老さんの回答はやはり独特であり、養老さんしか出せないような見解を述べます。
脳の思考回路が違うのではないかと思わせてくれます。
その中で特に印象に残ったのは、「自然」に対する捉え方でした。
例えば「子供は自然そのもの」という考えを養老さんはもたれており、教育問題やいじめ問題など今の社会で子供が問題になっていのば、大人が自然の取り扱い方を忘れてしまったからということになると述べています。
さらに少子化問題の根本的な原因も、今の人たちが自然にふれないということ、自然にふれることを楽しむことが出来なくなっているところにあるのではないかと推測しています。
子供の扱いが慣れていないのは、ただ自然との付き合い方を忘れたというただそれだけのこと。
このことを考えると少子化対策と銘うって様々な施策をしても一向に出生率が改善しない、今の政府は、まったく的外れな対策ばかりしているからかもしれないとも思えてくるのです。
養老さんの答えは超然的というか、根源的な要素が備わっている気がします。
悩みがなかなか解決しないと思っている方が本書を読むと、思わぬヒントを得ることができるかもしれませんね。
こんな人におススメ!
・核心を突いた人生相談の回答を探している人
・自分や家族、社会に対して新しい物の見方のヒントを得たい人
・養老孟司さんの考え方に興味がある人
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読書日:2014年6月
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