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サイゼリア誕生の秘密と共に、人気を生み出す仕掛けが解き明かされる
『サイゼリヤ革命』山口芳生著 書評
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住んでいる家の近くにサイゼリアがあり、時々行くのですが、値段の安さもさることながら、野菜の鮮度など料理の美味しさに驚かされます。
安い店はたくさんあるけれど、あそこまでクオリティの高い料理が提供出来るというのは、よほどしっかりとしたビジネスモデルがないと難しいのではないでしょうか。
業績も基本的には悪くないですし、評判も良い。
そんな「サイゼリア」の人気の秘密を探るべく手に取った一冊です。
本書では、サイゼリアが誕生し、人気店になるまでの過程が書かれているのですが、ここにサイゼリアの原点がありました。
元々は、千葉の市川にあるフルーツパーラー「サイゼリア」が創業店。
場所は商店街の外れにある八百屋の2階でした。
フルーツパーラーとはいえ、深夜営業が中心でほぼスナックの業態だったそうです。今からは想像も出来ないですね。
しかしながら、その後やくざ同士がケンカして、店が全焼するという事態に。
そして、再出発するにあたり、選んだのが「イタリア料理店」だったのです。
つまり、火事がなければ、「サイゼリア」が生まれなかった可能性さえあったわけで、運命の不思議さを感じます。
開店当時は不人気で、2階に上がる階段には、八百屋が野菜を並べてしまう始末。
「どうやったらお客さんが野菜を飛び越えてお店に来てくれるのか」を考え、実施したのが、価格を7割引き下げるということでした。
価格を大胆に引き下げると、お客が押し寄せ、行列が出来るほどに。
つまり、「サイゼリア」の人気に火が付いたきっかけは、「驚くほど安い価格」という点であり、これがコアになっているのです。
「驚くほど安い価格で良質な料理を提供する」というサイゼリアの姿勢は一貫しており、他のお店の場当たり的な値下げとはわけが違うということがわかります。
早期にセントラルキッチンを設けたり、大手メーカー(味の素)にプライベートブランドの製造を依頼したり。
愚直なまでに、お客が満足出来るクオリティとプライスを追及し、遂に他ではマネが出来ないようになるまでに成長した。
これこそがサイゼリアのバリューであると感じました。
こんな人におススメ!
・飲食業界で働いている人
・「サイゼリア」が支持される原点を知りたい人
・「サイゼリア」社長の経営哲学に触れたい人
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読書日:2016年2月
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