トップページ > 【評価順】ビジネスの本> 【読書感想】『日本一サービスにうるさい街で、古すぎるキャバレーがなぜ愛され続けるのか』山崎 征一郎
銀座で唯一生き残ったキャバレー「白いばら」。その要因を知る
『日本一サービスにうるさい街で、古すぎるキャバレーがなぜ愛され続けるのか』山崎 征一郎著 書評
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銀座で時々、「白いばら」というお店の前を通ることがあり、何となく気になっていました。
そのお店の外には、大きな日本地図が壁に書かれており、都道府県別にホステスさんの名前が書かれている。
働いているホステスさんの出身地なのでしょうが、それがとても目立ち、ユニークなのです。
このようなお店は行ったことがないので、中には入らないまでも、何となく関心がありました。
そして、この本を手に取った時、「おそらくあの店のことなのだろうな」と思い、読んでみた次第です。
思った通り、気になっていた「白いばら」のことでした。
本書によると、「白いばら」は、銀座で唯一生き残っているキャバレーのお店であり、その歴史は80年にもなるとのこと。
そもそも、キャバレー自体、全国で激減しているそうです。
著者の山崎征一郎さんは、19歳で白いばらに入店し、50年間勤めあげた方。
店長経験もあり、接客や演出面に至るまで多くのアイディアを出し、白いばらを人気店に押し上げた人物とされています。
本書では、なぜ、「白いばら」は今もなお、人気店として、存続し続けているのかが書かれています。
読んでいくと、「なるほど、長く経営していけるわけだ」と思わせるポイントが幾つかあり、それを列挙してみます。
清潔感を大切にし、開店前に社員全員で毎日2時間かけて掃除をする
明朗会計でチップも不要。リーズナブルな料金設定
ホステスがお客を呼ぶ高級クラブに対し、白いばらは、お店がお客を呼ぶ
アフターを強制せず、午前0時には店の灯りが落ち、日々、無理なく最高のサービスを提供する
素人のホステスを採用し、その分コストを抑える
これらの中で、特に大きいのは「リーズナブルで明朗会計」という点であろうと感じます。
「キャバレーなんて入ると、とんでもないお金を請求されるのでは」という恐怖感を抱いている人は少なくないと思いますが、そのような不安を払拭してくれるお店は安心します。
50年以上通っている常連さんや、女性客などもいるそうで、「安心して入れるお店環境作り」に長けているのではないかなと感じました。
これらは、長年の経営の中で磨かれていったものでしょう。
潰れそうなお店があると聞くと、山崎さんは、お客さんのフリをして入店し、「どこがダメなのか」を研究していたとのことですから、勉強の賜物なのだと思います。
他にも、今の客と昔の客の違いなども述べられており、興味深かったです。
山崎さん曰く、今のお客さんはスマートだけれど、金払いが悪くなっているとのこと。
昔は豪快な金払いをしていたお客さんが多かったそうです。
時代背景が異なってしまっているので、仕方ないといえば仕方ないのですが、このような場面でも歴史の流れというものを実感出来るということでしょう。
成功している事業も失敗している事業もやはり何かしらの要因があり、それをしっかりと勉強し、アウトプットしていくということが、どんな事業であれ、成功を続けるためには、必要なことなのかもしれません。
こんな人におススメ!
・80年以上続いているお店の、成功の要因を知りたい人
・キャバレーについて知りたい人
・お客さんの時代の流れに伴う変化を知りたい人
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読書日:2016年2月
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