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ズッコケ三人組シリーズがいよいよ完結!

『ズッコケ熟年三人組』那須 正幹著 書評

 

『ズッコケ熟年三人組』那須 正幹著

 

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『ズッコケ熟年三人組』あらすじ

恒川浩介の援助のおかげで弾みがついた、ハチベエたちが進める花山駅・新駅ビル計画。

 

ハカセも新しい学校に転任し、モーちゃんも娘が大学に行き新しい夫婦の時間を模索する。

 

それぞれがそれぞれに順風の生活を送ろうとしていた矢先、3人組を襲ったのは長雨による土砂崩れという未曽有の大災害だった。

『ズッコケ熟年三人組』書評

1978年から2004年まで全部で50巻刊行された「ズッコケ三人組」シリーズ。

 

子供の時愛読した人も多いでしょう。もちろん私もその中の一人です。

 

そしてこれで完結したかと思いきや、2005年から「ズッコケ中年三人組」シリーズの刊行が開始されました。

 

40歳になったハチベエ・ハカセ・モーちゃんの3人。

 

以来毎年新作が刊行され、3人も1歳毎に歳を取っていきました。

 

そして、2015年。50歳になった3人はいよいよ本書でシリーズ完結を迎えることになったのです。

 

子供の時は元気よく暴れまわった3人ですが、50歳になると3人ともバラバラの人生を送っています。

 

中でもハチベエには初孫が生まれる一方、ハカセは45歳でやっと結婚し、48歳で子供が生まれています。

 

ハチベエは市議会議員としても活躍し、一番の出世頭であるように感じられました。

 

今回はミドリ市でビル建設の話が持ち上がり、そこに市議会議員であるハチベエや内部塗装の仕事を働いているモーちゃんが絡んでいます。

 

また途中、大規模な土砂災害が起こるのですが、これは2014年に起きた広島の土砂災害を参考にされているとのこと。

 

この時の描写はとても悲惨でリアルですが、あとがきを読むと、現地に行ったり、当時の生々しい状況をしっかりヒアリングしたりとかなり取材したことが伺えます。

 

しかしストーリー自体は大きな盛り上がりに欠け、柱がない状態。

 

ちょっと残念であり、ここらへんが潮時なのかもとも感じました。

 

そんな中でも、ずっと好きだった登場人物達の様々な人生模様を眺めるのが面白く、子供の時から読み続けていたシリーズが完結してしまったというのは、やはり何とも寂しいものです。

 

こんな人におススメ!

・子供の頃ズッコケ三人組シリーズを楽しんだ人
・37年間に渡って愛されたシリーズを読んでみたい人
・土砂災害を題材にした物語を読みたい人

 

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読書日:2016年8月

 

『ズッコケ熟年三人組』那須 正幹著

 

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