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一つの考え方として独特で参考になる面もある

『ゆるキャラのすすめ。』石井 一久著 書評

 

『ゆるキャラのすすめ。』石井 一久著

 

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プロ野球選手が書いた本はわりかしよく読む方です。

 

それは、各選手が様々な哲学を持って野球に取り組んでおり、その哲学が私の生き方や仕事へのスタンスに、参考になる点が多いからです。

 

石井 一久さんはメジャー経験もあり、プロ生活22年、通算182勝をあげた選手。

 

2013年に現役を引退し、現在は吉本の社員として、野球解説やバラエティ番組などに出演しています。

 

生涯成績は一流とまではいえませんが、それなりに高いレベルの実績を残しています。

 

ストイックに野球に取り組む選手が多い中で、この著書のゆるゆるとしたタイトルはインパクトがあり、興味を持ち手に取ってみました。

 

読んでみて、本当にイチローとは対極に位置するような考え方の持ち主。

 

プロ野球選手らしからぬ哲学の数々は新鮮です。

 

・全力バカではいけない
・手を抜くことを恐れない
・普段は冴えない感じでいい
・徹底的に休む勇気を持つ
・サインは憶えない方がいい
・オトコ気はいらない
・憧れもライバルも必要ない
・本番ギリギリまで用意をしない

 

そして、根本的な考えは、下記の文章に集約されるでしょう。

 

一瞬の大活躍よりも、コンスタントに自分の仕事をして、コンスタントに結果を残すことを重視して選手生活を送ってきた。

 

たった1試合だけの個人的な記録より、長いシーズンを通じて安定した結果を残し続け、チームの優勝に貢献することのほうが、はるかに大切だと考えていた。(14ページ)

 

だからこそ22年間も現役でいられたのか、はたまただからこそイチローほどの成績を残せなかったのかは神のみぞ知るといったところ。

 

つまりは人それぞれ最適な方法があり、自分に適した生き方を選択する必要があるということでしょう。

 

このように一見のんびりしているようにみえる石井さんですが、読み進めていくと、一方で要所要所はしっかりとポイントをつかんでいるということもわかります。

 

・常に流れを読み解く
・アドバイスは真剣に聞かない。自分の中に「根拠」を持つ
・努力は必ずしも、実を結ばない。正しい方向で努力する
・リスクマネジメントは完璧

 

他人のアドバイスを受け入れず、すべて自分の考えで取り組み、正しい方向で自分のペースで努力をする。

 

石井さんの本性は実はとてもクレバーなのでしょう。

 

新しい球種をマスターすることさえ、独学なのだそうです。

 

人の数だけ最適なやり方は存在する。

 

そしてその最適なやり方を見つけるために、自分としっかり向き合い、自分で考え抜く。

 

このことは誰にでもあてはまり、けっこう大事なことだと思うのです。

 

こんな人におススメ!

・ビジネスでコンスタントに長期間結果を出したいと考えている人
・プロ野球選手のいろいろな考え方に触れたい人
・自分のペースで結果を出していきたい人

 

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読書日:2016年8月

 

『ゆるキャラのすすめ。』石井 一久著

 

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