現代ヤクザの収入経路に迫る
『ヤクザマネー』NHK「ヤクザマネー」取材班著 書評
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ヤクザの収入源といえば、縄張り内の飲食店などから受け取る「みかじめ料」をまず思い浮かべます。
しかしながら法律が厳しくなった現在、「みかじめ料」なんてほとんどないのでは?そうなるとヤクザの経営状況はとても厳しくなっているのではないかという疑問がありました。
そのような中で本書は現代ヤクザの収入源について書かれており、時代の変化にあわせてしたたかに活動していることがわかります。
本書によると最近は投資がヤクザの大きな収入源の1つになっているそうです。
秘密のディーリングルームで連日3億円の資金を運用し、インサイダー情報を得ながら株式投資を行う。
ホームレスの方を利用して、ネット証券会社の口座を開設し、バレない仕組みを構築しているのです。
規制緩和で拡大したネット株取引の隙間をついたやり方になっています。
もう一つはエンジェル投資。
金融機関に融資を断られた企業にお金を融資。そこの上場益を狙うというやり方です。
こちらに関しては暴力団に利用され、36億円もの使用不明金が社外に流失し、突如倒産したゼクーという地方の飲食店チェーンを事例として紹介しています。
本書を読むと、時代の流れにあわせてヤクザも変化しながら収入を得ていることがわかります。
インターネットの登場というのはあらゆる層に影響を与えているということなのでしょう。
現在ヤクザの動きは複雑化しており、ヤクザと悟られないように巧妙になってきているそうです。
今後ヤクザはますます一般社会に入り込み、身近に密かに活動している可能性が増えてくるため、より注意が必要になって来ます。
こんな人におススメ!
・ヤクザの現代の稼ぎ口を知りたい人
・日常に紛れ込む暴力団の実態を知りたい人
・ヤクザの抗争の歴史を知りたい人
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読書日:2015年5月
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