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失敗を受け止められる柔軟な社会を望む
『回復力 失敗からの復活』畑村洋太郎著 書評
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著者の畑村洋太郎さんは工学博士。
「失敗学」の権威として知られ、何か大きな失敗が国内でニュースになると、そのことについて畑村さんがコメントをしているのを時々新聞で見かけます。
本書は、失敗の一歩先、「失敗からの回復」に焦点をあてたものになります。
最近、「失敗」で思い浮かぶことは、東京オリンピック準備での数々のトラブルです。
新国立競技場やエンブレムのやり直し。これらの失敗の対処法がスムーズかというと極めて疑問です。
エンブレムを作成したデザイナーさんなんかは、これから仕事が激減してしまうのではないかという印象さえあります。
「回復力」というのはそう考えるととても重要になってくるものなのでしょう。
畑村さんは失敗した時に「人は弱い」ということをまず認めることをすすめています。
今はまだ失敗に立ち向かえない状態にあることを潔く受け入れて、その上でエネルギーを待つしかない。
「人間の弱さ」を認識するというのは大切なことであり、成毛眞さんがすすめるライフスタイルと共通すると感じました。
失敗のシミュレーションをしておくこと、失敗した後に落ち着いたらその失敗の行動分析をすることなど、さすが失敗学の権威ともいえるアドバイスをされており、役立つ教えがいくつかありました。
そしてもう一つ、失敗した人に対して寛容であることの大切さを指摘され、なるほどなあと納得しました。
村社会という気質があるからなのかわかりませんが、日本で何か失敗が起きたらヒステリーになるまで追いつめてしまうことがあります。
日本社会に余裕がなくなって来ているということがいえるのかもしれませんが、そんな社会では生きずらくなるのは当然であるといえるでしょう。
例えば、日本は起業する人が他の国に比べて極端に少ないわけですが、失敗を受け入れる体制が社会に整っていないということの1つの表れであるといえます。
畑村さんからは、失敗しても柔軟に受け入れられる社会にしていきたいという想いが伝わり、優しい人柄を感じることが出来ました。
一度読んでおくと、失敗をした時に落ち着いて対応できるようになる気がします。
こんな人におススメ!
・失敗をした時の備えとして読んでおきたい人
・失敗をして落ち込んでいる人
・失敗に寛容な社会について関心がある人
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読書日:2014年1月
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