絵画の見方が変わり、鑑賞の楽しさが増す
『西洋美術入門 絵画の見かた』池上 英洋著 書評
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本書は名画といわれる様々な作品を取り上げ、名画たる所以の解説をしていきます。
私は美術鑑賞が好きでよく都内の美術館に行きます。
普段は絵画の横にある解説と、構図、そして、色味に注目して鑑賞していますが、絵画を見るにあたりより楽しくなるような知識を入れたいと思い読んでみた次第です。
絵画の写真が豊富にあり、解説もわかりやすく、美術初心者でも理解できるようになっています。
おおまかに三つの章が存在し、「隠れたメッセージを探る名画の秘密」「テーマで読み解く名画対決」「西洋絵画を彩る技法のはなし」という内容です。
一番印象が強かったことは,画家は描いている小物にさえもメッセージを込めているということ。
予想以上に綿密に構成されているのです。
例えば、ヤン・ファン・エイク(1390頃〜1441年 ネーデルランド)の作品『アルノルフィーニ夫妻の肖像』。
静かそうな部屋に手を取り合っている夫妻が描かれているのですが、様々な箇所でメッセージを発信しているそうです。
例えば、足元にいる犬は「忠誠」を表わすシンボルであり、ここでは夫婦間の信頼を表わしている。
また、脱ぎ捨てられたサンダルは、神の前にいること、つまりここが神聖な場所であることを表わしているといった具合です。
このように細部にわたり注意深く鑑賞していく。
そうすると様々なメッセージが読み取れるというわけなのです。
鑑賞の楽しみ方の1つとして、新たな発見を与えてくれた一冊になりました。
こんな人におススメ!
・美術鑑賞の楽しみ方を増やしたい人
・これから美術鑑賞を趣味にしたい人
・名画のビジュアルを堪能したい人
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読書日:2014年2月
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