トップページ > 【評価順】ビジネスの本> 【読書感想】『本の声を聴け―ブックディレクター幅允孝の仕事』高瀬 毅
新しい職業を生み出してしまった幅允孝という人物
『本の声を聴け―ブックディレクター幅允孝の仕事』高瀬 毅著 書評
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本棚に本を並べることが仕事になる。そんな事実を本書で知りとても驚いてしまいました。
本書で取り上げられている幅允孝さんの職業はブックディレクター。
病院やオフィス、デパートなど様々な場所で本棚作りを手掛けており、「彼が本を並べると、本棚が輝き始める」と言われているそうです。
「本の編集」ならぬ「本棚の編集」というわけです。
この人物の仕事内容が書かれており、新しい仕事を生み出してしまった幅さんに感心しっぱなしでした。
ブックディレクターの仕事をより詳しく述べると、病院や企業、カフェなどがクライアントとなり、それぞれの場所に相応しい本棚を作ることになります。
そのための本の選定なども行う必要があり、その本棚がクライアントのイメージ向上に役立つことが出来れば成功ということになります。
本書では実績事例として、千里リハビリステーションやスルガ銀行のライブラリースペースなどを写真付きで紹介しています。
例えば、スルガ銀行の場合は、「夢」「環境」「お金」にまつわる本の陳列が中心となっており、本に対するかなりの知識が前提として必要になっていることがわかります。
キュレーションに似た仕事といえます。
元々、幅さんは青山ブックセンターに勤めていて、かなりの本好きだったそうです。
その後編集プロダクションに移るのですが、その時にツタヤが六本木ヒルズに「ブックカフェ」をオープンするにあたり、プロデュースして欲しいという依頼を受けたことが今の仕事につながったそうです。
このツタヤのお店は何度か行っていますが、幅さんが手掛けていたとは当然ながらそれまで知りませんでした。
読んでみて、「本が好き」という気持ちが新しい仕事を生み出してしまうまでになるとは物凄いパワーであると感じました。
本を選び、並べることがお金になるなんて思いもしませんよね。
インターネットの誕生などで世の中の構造が刻々と変化している現代において、これからも新しい仕事が生み出される余地は十分にあるのかもしれません。
こんな人におススメ!
・仕事にしたい「好きな事」がある人
・本が好きな人
・新しい仕事を生み出したいと考えている人
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読書日:2015年2月
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