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非常識に挑むことの楽しさを教えてくれる

『「R25」のつくりかた』藤井大輔著 書評

 

『「R25」のつくりかた』藤井大輔著

 

サイト管理人の評価

 

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『R25』はリクルート発行のフリーペーパーです。

 

最初は首都圏でスタートし、後に大阪市や名古屋市でも配布されるようになりました。(2015年7月から休刊し、ウェブ版のみになることが決定しています)

 

2004年7月に創刊したのですが、当時はフリーペーパーにも関わらずそのクオリティの高さが評判を呼び、配布日にはラックの冊子がすぐに空になるくらいの競争率でした。

 

社会現象といってよい位のインパクトを残したのです。

 

本書はそんな『R25』が出来上がるまでの過程を当時リクルートで創刊に関わっていた藤井大輔さんが紹介しています。

 

『R25』はM1層(20歳〜34歳の男性)をターゲットにした冊子なのですが、「そもそもこの層は新聞や雑誌を読まない。そのため、M1層向けの雑誌は成功しない」というのが定説だったのだそうです。

 

そのような状況で、「市場が空いているから」という理由で100万部を目標にしてメディアを立ち上げるところからスタートしていきます。

 

前例のない市場で0からメディアを立ち上げる。

 

本書ではその経緯を書いていますが、グループインタビューでM1層の本当のニーズを探る場面は秀逸です。

 

言葉には出てこない潜在的なニーズを掘り起こすあたりはさすがリクルートの社員といったところ。

 

藤井さんはM1層を梅干しに例え、梅干しには薄い皮があるが、その皮をプチリと破ると、中身がブヨっと出てくる。そして、奥のほうに、堅い芯があると形容します。

 

その芯を探り当てたことが『R25』成功の秘訣となっています。

 

方針が決まってからのコンテンツの決め方も大変参考になります。

 

読んでもらう場所を電車の中と決め、コラムの文字数も800字の分量にする。本の紹介コーナーでは新刊ではなく、テーマに合わせたものを選定。インタビューのコーナーではM1層の兄貴分的な人を選出する…といった具合です。

 

コンセプトをベースにして各コンテンツで細かく独自色を出していく。その徹底ぶりと緻密ぶりには感心するばかりです。

 

全編を通し、2番煎じではなく前例のない市場に挑むことの醍醐味を感じることが出来ました。

 

それはブルーオーシャンであるだけに、ホームランもあれば三振もあるという「ハイリスク・ハイリターン」の世界なのでしょう。

 

そして、その状況の中でホームランを打った後の世界は素晴らしいものだということも理解できる一冊です。

 

こんな人におススメ!

・前例のない市場に挑むことの醍醐味を知りたい人
・新しい事業を立ち上げるまでの過程を知りたい人
・仕事に対し元気とやる気をもらいたい人

 

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読書日:2015年4月

 

『「R25」のつくりかた』藤井大輔著

 

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