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ヒット商品「伊右衛門」が生まれるまでの苦闘を描くサントリー版プロジェクトX

『なぜ、伊右衛門は売れたのか。』峰 如之介著 書評

 

『なぜ、伊右衛門は売れたのか。』峰 如之介著

 

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緑茶飲料の市場規模は果汁飲料や炭酸飲料が頭打ちになったことと対照的に拡大傾向にあるそうです。

 

これは、国内で高齢化が進んでいることと無関係ではないでしょう。

 

私もペットボトルの緑茶飲料は好きで、伊藤園「お〜いお茶」、サントリー「伊右衛門」、キリン「生茶」、日本・コカコーラ「綾鷹」を交互に飲んでいます。

 

本書は、2004年3月に発売され、瞬く間に大ヒット商品になった「伊右衛門」の開発ヒストリーとなっており、サントリー版プロジェクトXという趣になっています。

 

本書を読み、「伊右衛門」誕生の裏には多くの失敗が存在していたということがわかりました。

 

特に、2001年3月に数々の技術を駆使して開発され、全社の期待を背負って発売された「熟茶」の売上が清涼飲料史上最悪の結果となったのはとても大きかったようです。

 

この時の開発メンバーが社内でバッシングに遭い、次に関わった「伊右衛門」の時の開発プロジェクトのコードネームを「NZ」と命名。

 

Nは日本茶であり、Zは「開発に失敗すればもう後はない」という背水の陣での覚悟だそうで、実際開発リーダーは「伊右衛門」が駄目なら会社を去る決意をされていたとか。

 

「伊右衛門」はそんな背水の陣が生んだ起死回生の商品であったのです。

 

「伊右衛門」の開発過程は面白く、本物の味の追及に茶葉の量を100分の1グラムまで精査していたり、ペットボトルを竹筒型にするなどあらゆる面で徹底的に工夫を重ねた商品であったというのがわかります。

 

商品の開発話を知ると、やはり飲んでみたくなるものですね。

 

「伊右衛門」は100年ブランド構想を持っており、末永くこのブランドを育てていくようです。

 

最近は、季節ごとに味を変えるというニュースがありましたが、これもブランド育成の一環なのでしょうね。

 

これからも緑茶飲料市場の動向については注目していきたいと思います。

 

こんな人におススメ!

・ヒット商品が生まれるまでの過程を知りたい人
・「伊右衛門」がこだわっているポイントを知りたい人
・ブランド育成に関わっている人

 

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読書日:2014年4月

 

『なぜ、伊右衛門は売れたのか。』峰 如之介著

 

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