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2年間のスタンフォード大学での留学体験をベースにした日米比較論

『米国製エリートは本当にすごいのか?』佐々木 紀彦著 書評

 

『米国製エリートは本当にすごいのか?』佐々木 紀彦著

 

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著者の佐々木紀彦さんは東洋経済新報社に勤務。

 

2007年9月から2009年7月まで休職し、スタンフォード大学大学院で博士号を取得。その時の留学体験をベースに、アメリカのエリート教育、経済や歴史、国際政治などについて綴ったのが本書になります。

 

佐々木さんのように社会人になってから海外留学する人はあまり多くはないでしょう。

 

それだけに書かれた情報の数々は新鮮で刺激的でした。

 

幾つか特に印象に残ったことがあります。

 

まずは、アメリカのエリート教育では歴史を学ぶことをとても重視しているということ。

 

それは、3つのメリットがあるとのことで、1つ目が、今を理解するためのヒントを与えてくれる点。

 

2つ目が戦略構築に役立つと考えられている点、最後に、歴史の教養は将来を見通すための助けにもなるという点です。

 

さらには、愛国心の醸成にも寄与しているということで、どちらかというとエンタメとして歴史を楽しむことが多い日本と国家戦略の策定や経営実務に生かすアメリカの「歴史」に対する歴史の捉え方の違いはずいぶんと大きな差があると感じました。

 

また、「世界から集うエリート学生の生態」という章で、韓国人と中国人に対する記述は面白く読めました。

 

近年、韓国人学生が急増し、英語に対する学習能力が高い。

 

それは、韓国では過酷な競争に敗れると、低賃金で働き続けることしか人生の選択肢がなく、卒業後も大半がアメリカで働きたいと願うという事情があるそうです。

 

一方で、アメリカに溶け込めず44%が中退するという実態も存在するとか。

 

一方、中国人留学生はオープンでフレンドリー、本音トークがしやすいのだそうで、佐々木さんは留学後、中国に対する興味が一気に盛り上がったのだそうです。

 

中国国家と中国人は違うという認識を得たとのことで、私も何度か中国に旅行に行っているので何となく理解できました。

 

本書を読むと、他人がなかなか出来ない経験をすることはやはり貴重であり、モノの見方や考え方をも変えてしまう力を持っているということがわかります。

 

私自身、これからも様々な未知の体験を重ねていきたいと思いました。

 

こんな人におススメ!

・アメリカ留学に関心がある人
・アメリカの「歴史」に対する捉え方を参考にしたい人
・エリート教育について考察したい人

 

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読書日:2014年5月

 

『米国製エリートは本当にすごいのか?』佐々木 紀彦著

 

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